NIO (上海蔚来汽車)

日本で知られていない中国車の紹介シリーズ、第4弾。
気が向いたときに突然紹介する中国車。これまで、日本に展開することが報道される前のBYD。その後、HiPhi ZAion Hyper GTなどの、中国の独自色が強く出ているクルマを紹介してきましたが、初心に戻って、そのうちに日本にも展開するのではないかと思われる自動車メーカを紹介。

ところで、私の中では評価の高かったHiPhi社。倒産したようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/aea5069f0699b85f7536e68bed2eb9fe3bde8156
2023年の累計販売台数は4829台。記事では「たったの」と表現されていますが、アストンマーティンの年間販売台数もその程度なので、むしろ歴史が何もない新興自動車メーカが1500~2000万円の価格帯のクルマを、よく売ったなと思います。こういう尖ったクルマは、年間5000台くらいで会社が続けられるように計画しないと。

話しを元に戻して・・・

NIO
これはNIOのET5。HiPhi ZやHyper GTなどと違って、街中で普通に見かけるクルマです。
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中国車なので、当然電気自動車なわけで、グリルレスのフロントデザインは、あまりオジサンの琴線には触れませんが、たぶん中国の若者にはカッコ良く見えるのでしょう。しかし、これは今では絶滅危惧種になっているステーション・ワゴンなのです。SUVは車高が高くて落ち着かない、という層が中国にあるかどうかわかりませんが、私はSUVよりステーション・ワゴン派なので、それだけでNIOの好感度は爆上がりです。中国で足車を買うなら、選択肢の一つになるでしょう。
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そして、NIOは数分で電池交換可能というシステムを採用しています。おそらくNIOのディーラーでのみ対応可能なのだと思いますが、世界共通規格になって安全性が十分に担保されれば、EVの充電時間問題を解決する一つの方法にはなります。
バッテリーは車両本体とは別売り。買い取りも出来るし、サブスクリプションもあるそうです。バッテリー容量も選べて、月額が日本円で大体2~4万円といったところです。

内装は典型的な中国車のデザインです。すなわち、中央に縦横に回転可能な大きなモニターがあって、操作は全てそのモニターのタッチパネルにて行うというスタイル。質感は良いです。木目か見えていますが、触った感触は本物の木です。もちろん、クルマですからムクではなく本物の木を薄くシート状にしたものを貼っているのだと思いますが、たとえばボルボなど今どきのクルマで木目になっているダッシュボードは、大抵そうやって作られています。
価格は日本円にして600万円くらいになるので、まあこのくらいの質感は当然ですね。
ダッシュボード中央にあるのは搭載AIの顔です。クルマの操作はタッチパネルか音声を使うのですが(クルマを運転中にタッチパネルの操作が難しいのは、皆さん感じていると思いますが、それを補うのがAIによる音声制御です)、AIなのでクルマの制御だけでなく普通に会話もします。不思議なもので、会話のときにこんなのでも表情が見えると、音声指令の安心感が増します。私が話しかけたところ、英語は対応していましたが日本語はこれから勉強するとAI自身が言ってました。
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絶対に突っ込む人がいると思うので、先に答えておきますが、助手席に座っているミニスカートの女性は通訳さんです。私は中国語が話せませんから、どこで何をするにも通訳さんが必要なのです。中国では、日本よりも英語は通じません。

そして今どきの中国車に必ずと言っていいほど付いているのがLiDAR。このように屋根の前端に誇らしげに付けるのが中国風です。一目でLiDAR装備だとわかります。
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側面後方を見ているLiDARも、このように目立つように付いています。
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日本では新型でもLiDARを装備しているクルマはほとんどありませんが、中国車はある程度の価格帯(日本円にして400万円くらいかな)より上のクルマはLiDARが付いているか、オプションで付けられます。

これはET7。NIOの最上級モデルでメルセデスのSクラス相当のセダンです。価格は日本円で一千万円を軽く超えます。そういう価格帯のクルマを普通にショッピングモールの中で売っているところが、もうすでに、日本は生活の面でも中国に抜かれた印象をもちます。
ちなみに、左端に写っている女性は先の話題の通訳さんではなくまったく知らない他人です。たまたま写ってしまっただけ。
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