5年前にこのコルベットを購入した時、走行に直接関係のない装備品でいくつか動かないものがありました。承知の上で購入して、これまで少しずつ修理してきましたが、最後に残ったのは時計でした。車検にも走行にはまったく支障がないので先送りしていましたが、本日ついに手をつけました。
配線がゴチャゴチャですが、これで純正配線です。
現代のクルマは、こういう部分はシリアル通信されていてシンプルなのですが、この時代にはシリアル通信どころかTTL-ICすら使われておらず、計器一つ一つに独立した配線が繋がっています。必要な知識はオームの法則だけ。
右が取り外した時計。左が新しい時計。
新しい時計はリプロダクト品で、クォーツ時計です。オリジナルの時計は完全機械式。
外観は何も違わないのですが、新しい時計は秒針が1秒に1回刻む動き。オリジナルの方は、動いているのを見たことはありませんが、機械式なのでおそらく秒針はもっと細かく刻む動きだと思います。
この時代のクルマの時計は、12Vで動いていますが実際にはバネ式の完全機械式です。12Vはバネを巻くためのソレノイドに使われます。
だから、もしかすると分解して修理できるかもしれません。そこで、ひとまずクォーツ式に交換しておいて、その間にオリジナルの時計を修理してみようという算段です。無事に修理できたら、クォーツを取り外してオリジナルに戻します。そういう理由で、この記事のタイトルには(仮)とつけてあるのです。
ついでに、前オーナーが何らかの目的で付けたのであろう謎のスイッチを撤去。目的不明でした。どこにもつながっていませんでした。
それと、水温計の配線に割り込まれている配線を確認。純正の緑色配線に茶色の配線が割り込ませてあって、これの目的も謎でした。水温計がなんとなくいつも低めの温度なのは、本当に温度が低いのか、それとも割り込んでいる配線の先に何かが繋がっていて、抵抗値が変わっているからではないのか、と疑っていたのです。
茶色の配線を辿っていくと、途中から純正色の緑色の配線に変更されて水温センサーに繋がっていました。そして、本来水温センサーに繋がっているはずの純正の線は行き先不明です。なぜこういうことになっているのかわかりませんが、とりあえず水温センサー以外のものは繋げたくないので、純正の緑色配線をカットしておきました。謎だ。
そんなこんなで、時計は動くようになったので、これでこのコルベットの装備はすべて完全に動作するようになりました。
気が向いたときに作業していたので、結局5年かかってしまいました。
ラジオが当時ものとはデザインが異なるので(68年には存在しない液晶表示やカセットが付いている)、これも当時物と見た目が同じ(でも中身はBluetoothで接続できるようになっている)リプロダクト品にしたいのですが、10万円くらいするので、ためらっています。ちなみに、本物の当時物ラジオはほぼ入手不可能で、たまにe-bayに出てきたりしても30万円以上になります。