レクサスは盗まれるというイメージがあります。実際、その通りで、このようなデータがあります。
出典: 日本損害保険協会「第23回自動車盗難事故実態調査」
上位10位のうちレクサスが4車種。これは盗難台数なので生産台数が多ければ上位になりやすい傾向はあります。盗難台数を生産台数で正規化した統計は見つかりませんでしたが、ランドクルーザーやレクサスLXはかなりの割合で盗まれるだろうことは容易に想像がつきます。
しかし、それよりも気になるのは上位10車種が全てトヨタ車であるということ。人気があるという見方もあるでしょうが、別の見方をするとトヨタ車はセキュリティが甘いのではないかと思われます。
IT機器の世界で言えば、これはセキュリティホールです。すぐに対策パッチをリリースしないと、世間からメチャクチャ叩かれる事案。
トヨタはこれを恥じて、早急に対策を打たなければならないのに、放置しています。これでは自動車業界のソフトエンジニアは、もしかしてレベルが低いのではないかと思われても仕方がないでしょう。
メーカーが対策してくれないなら、自分でなんとかしなければなりません。簡単な方法としてハンドルロックやホイールロックなどが推奨されています。泥棒は盗みやすいクルマを盗む。ハンドルロックをかけていないクルマが大多数だから、わざわざハンドルロックをかけているクルマは盗まないはず、というのがハンドルロックの有効性を説明するときの論点ですが。
この動画を見ると、各種の追加ロック装置は泥棒にとっての障害にはなり得ないことがわかります。
LC500の盗難件数はわかりませんが、時々盗難された情報は耳にしますし、同じ市内で盗まれた事例もあります。生産台数を考えると、盗難の割合は低いとは言えないでしょう。
というわけで、CAN割込み型のイモビライザーとアラームを装着しました。エンジン始動には、PINコード入力か、専用キーFOBによる認証が必要なタイプです。認証が通らなければ、正規のキーでもエンジン始動は出来ません。今のところ、きちんとした社外セキュリティが追加されているレクサスが盗まれた事例はないそうなので、ハンドルロックよりは泥棒が嫌がると思います。
そして、抑止力としての効果を発揮してもらうために、不本意ながらこんなのも付きました。セキュリティが動作していることを車外に知らしめるための発光プレート。セキュリティ動作中はピカピカ光っています。
泥棒がクルマを盗めなかった場合、車内の指紋などの証拠隠滅を図るため、消火器を撒くという手段を取るらしいのです。こうなったら最悪です。盗まれてしまえば車両保険が全額出るのに対して、盗まれなかった場合は原状復帰費用が保険金で支払われることになります。しかし、消火器が撒かれた室内が完全に元通りになるとは思えないですし、何よりそういうクルマに乗る気がしません。
盗むのであれば、完全に持って行って欲しいし、盗めないのだったら最初から手を出して欲しくないわけです。この発光プレートはそういう目的で設置されるもの。
ちなみに、この線を辿ってもセキュリティ装置にたどり着くことは出来ません。
盗難対策を施したことをネットで公表して良いのか? という疑問がありますが、これも泥棒に認知されることで、対象リストから外れるのではないかと思われるからです。もっとも、このイモビライザーのハッキング手口が開発されてしまったら、逆効果になります。そこで、この記事ではメーカ名だけは隠しておくことにしました。
取付は専門のプロショップに依頼しました。このセキュリティ機器は個人には販売してくれません。
最初は、燃料ポンプに隠しスイッチでも付けておこうかと思ったのですが、今どきのクルマはイグニッションOFF時でも補器の異常検知を行っているので、適当なことをやると故障と判断されて面倒なことになるかもしれません。やはりここはきちんとした製品を使う事にしました。おかげで、すごい出費になりましたが、盗まれた時のショックと面倒くさい手続きを考えると、そのくらいの費用はありだと判断しました。