[C3] 点火プラグ&プラグ交換

記録に漏れがなければ2001年のレストア作業以降、プラグとプラグコードは交換されていません。特にトラブルが出ているわけではありませんが、昔のクルマのこれらの部品は、ほぼ定期交換部品なので、交換しておきます。

新品のプラグとプラグコードは購入済み。サービスデータによれば、ACの43Nが標準ですが、R43XLが付いていたので、同じものにしています。
プラグギャップは0.035in(0.9mm)となっていますが、MSDが付いているので少し広めの1mmに設定しました。プラグギャップを1mmに設定するには、1mmのシックネスゲージは入るけど、1.1mmは入らないように調整します。そうすると実際のギャップは1.0から1.1mmのどこかに設定されていることになります。0.1mmくらいの誤差は、ほぼ体感できなので、あまり神経質になる必要はありません。
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プラグギャップを調整したら、プラグテスターで火花の調子を見ます。この過程を省略してしまう人もいますが、やっておいた方が良いです。過去に2度ほど新品プラグが不良だった経験があって、原因究明に手こずりました。まさか新品のプラグが不良だとは思いもしませんでした。ちなみに、不良だったのは天下のNGK製でした。今やプラグテスターは安いので、旧車乗りの人は持っていると良いと思います。
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エンジンからプラグを外します。シボレーのV8はプラグ外しに苦労するエンジンです。クルマによってはプラグを外すのに丸1日かかることもあります。かの有名なHEMIエンジンは、ヘッドの真上にプラグが付いてるので、とても楽です。私はHEMIエンジンが人気があるのは、プラグを外すのが楽だからなのではないかと思っています。
シボレーのV8のなかでもビッグブロックは楽な方です。スモールブロックはとても大変。
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とはいえ、「旧車あるある」ですが、プラグコードのゴムがプラグのガイシ部に張り付いていて、なかなかプラグコードが抜けない事があって、苦労します。新品のプラグコードは用意してあるので、破損してもかまわないのですが、やはり力は必要です。どうしても、このようにプラグからコードのキャップ部分が剥がれてくれなくて、ちぎれてしまうのは珍しいことではありません。
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外したプラグを観察します。写真の上が進行方向です。シボレーの場合は、運転席側の一番先頭が1番シリンダー、助手席側先頭が2番です。
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3番が特にくすぶっている感じです。始動に失敗すると左バンクがカブりやすいのですが、3番のプラグコードの劣化が激しいとか、接触が良くないとかあるのかもしれません。今回、新品に交換するので、それで様子をみてみます。排気管が左右で完全に独立しているので、匂いで失火しているのが右バンクか左バンクなのか程度はわかるのです。

プラグの締め付けトルクは25lb.ft. トルクレンチが入らない場合、新品のガスケットであれば手締めから工具で1/2回転です。プラグの締め付けトルクは、手感に頼らない方が良いです。

次はプラグコードを交換しますが、1本ずつ交換します。一度に全部のプラグコードを抜いてしまうと、デスビと気筒番の関係がわからなくなってしまいます。
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プラグコードを外す時に、またゴムとプラグが固着してしまわないように、ダイエレクトリック・グリースをプラグのガイシ部分とプラグコードのキャップの内側に塗布しておきます。
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場所の関係で、うまく力が入らなくてプラグコードがプラグにきちんとハメるのは難しいです。きちんとハマッていなくても、弱弱しくスパークは飛ぶのがやっかいです。大体、特定のプラグがカブりやすいのは、これが原因だったりします。ここは何度も確認します。

雨が降っているので試走は明日です。エンジンがかかることだけは確認しました。始動性が良くなった気がします。プラグコードが新しくなったので、エンジンが綺麗に見えます。
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プラグとプラグコード交換は旧車の基本整備作業の一つですが、コルベットの場合は案外と難しくて、嫌われる作業の一つです。私も、あまりやりたい作業ではありません。