DSP対応6chデジタル入力アンプ出来ました。
DSPでHigh, Mid, Lowの片側3ch、左右合計で6chに分解されたデジタル音声信号を、3本のSPDIF信号で受け取って、D/A変換して6chのアナログ信号にして6chのデジタルアンプで3Wayステレオスピーカーをバイアンプ駆動するというものです。
本来のバイアンプとは”bi-amp”、すなわち2個のアンプという意味で、右チャンネルと左チャンネルまたは高音部と中低音部それぞれ独立したアンプを繋ぐ方法を言うのですが、私の作ったこのシステムはスピーカー1個につきアンプ1個という意味で”by-amp”と呼ぶことにしました。私が命名したので検索しても出てきませんよ。
スピーカー1個ごとに独立したDSPを持っているので、フィルタネットワークは不要になりますし、スピーカーごとに独立した特性の調整が可能です。
こういうアンプは、少なくとも市販品には存在していないです。ホールなどで使うPA用機器にはスピーカー1個にアンプ1個という構成はあるみたいですが、DACを内蔵していてデジタル入力のものは、少なくとも私が調べた範囲では見つかりませんでした。
初自作オーディオで、いきなり超マニアックなものを作ってしまいましたが、これぞ自作の醍醐味です。
外観
上に載っているのが8chデジタル出力のDSPです。このDSP用の電源もアンプから供給するようにしました。スピーカーが3wayなので、今回は6chしか使っていません。
正面バネル
黒い大きなノブが電源スイッチ。オーディオ機器に似つかわしくないこのスイッチは私の趣味です。主電源スイッチはタッチスイッチとか押しボタン式よりも、ガチンッて捻るのが気合が入るでしょ?
電源スイッチの左側には、Low, Mid, Highレンジのアンプの音量ボリューム。音楽によって、手軽に特性を変えられるように独立したボリュームを残しました。DSPは4つの特性を記録出来て、リモコンで選択できるのですが、ボリュームで変えるのは手軽で直感的です。
全体のボリュームはDSPで変更します。アンプが独立しているので、全体ボリュームをアンプ側に持たせるのは難しいのです。
ボリュームの上には、それぞれのアンプのミュートスイッチ。原理上、アンプは電源ON/OFFのときに「ボンッ」と音がします。市販のアンプがそうならないのは、最初はミュートになっていて、電源ONから時間をおいてミュートを解除する遅延リレーが入っているから。自作アンプは、そこまでするのが面倒だったので、手動でミュートの切り替えをすることにしました。主電源をガチンとONにしてから、バチ、バチ、バチとトグルスイッチを上げてミュートを解除。切るときは逆にトグルスイッチを下げてから主電源をOFF。世の男性のほとんどはトグルスイッチの操作が大好きなので、この操作に不満をもつ人はいないでしょう。
一番高いところにあるジャックはDSP用の+5V電源で、主電源スイッチと連動しています。
リアパネル
金色の端子がDSPからのSPDIF信号の入力。右側に6chのスピーカー端子。電源コードは取り外せるようにソケットにしました。5Aのヒューズを内蔵しています。
ラベルは、40代以上の人には懐かしいダイモ。このレトロな感じに手作り感があってテプラやレタリングを使うよりも気に入っています。
内部はこんな感じ。
アナログ信号線は綺麗にまとめると誘導ノイズを作り出してしまう可能性があると聞いたことがあるので、あえてまとめませんでした。
開発系企業ではエンジニアをメカ屋、電気屋という呼び名で分けることが多く、実はその境界線は曖昧ですが、高周波や高電圧、それにアナログ信号を扱える人は本物の電気屋だと思います。私はメカ屋(自称)です。アナログはよくわかりません。
今は、自宅作業中はずっとこれで音楽を聴いています。自作ということもあり100倍くらい市販品より良い感じです。特にDSPの威力はすごくて、DSPをいじると、いくらでも音質が変えられます。
後で、別記事にするつもりですが、周波数特性も計測していてそれをベースにDSPの調整をしています。その過程で、スピーカーのデータシートなどの周波数特性とか、あれでいくら見比べても無駄だということがよくわかりました。スピーカーから出力される周波数特性は設置場所や耳の位置によっていくらでも変わります。なので、やはり設置場所の環境でDSPを使った調整をするのが一番だと思いました。