アンプ評価

自作スピーカーをDSP経由で鳴らすにあたり、スピーカーユニット1個に対してDSP1つを割り当てる構成で考えています。そのためにバイアンプ駆動(スピーカーユニット1個に対してアンプ1個)にする必要があります。
私の専門分野であるモータ制御の世界では、モータを個別に制御するのが普通です。複数のモータを一つのアンプで駆動するようなことは普通はしません。実は、技術的な分類としてはスピーカーもモータの一種です。スピーカーのコーンを駆動する部分をVoice Coil Motorと言うのがその証拠。少し専門的な分類で言えば、スピーカーは単相のリニアモータです。だから、私にとってはバイアンプの方が自然な感じがするのですが、オーディオの世界では少数派みたいです。

制作中のスピーカーを加えると、スピーカーは片側3つ。合計で6になるので、DSPは6つ、アンプも6つ必要になります。そこで6chアンプを探してみたのですが、見つかりませんでした。カーオーディオ用にあることはあるのですが、出力3000Wとかで家庭のしかもPC作業中に鳴らすためのものではありません。AVアンプには6chとか8ch出力のものありますが、あれはドルビーなんちゃらとかで音場情報を含めてエンコードされた音情報を入力して、内蔵DSPでデコード&調整したうえでスピーカーを駆動するものなので、入力に6chとか8chが個別に用意されているものではないので使えません。それに高いし。

売っていないものは作るしかありません。作るといっても一からアンプを作るわけではなく、普通に2chのステレオアンプを3つ並べればよいだけです。
今年になってから、PCの音楽を鳴らすアンプをONKYOのミニコンポから、いわゆる中華デジタルアンプに変えました。こういうやつ。大きさがイメージできるようにペンを置いておきました。
IMG_20210131_134106
もうね、重さも大きさもこれの10倍くらいあるミニコンポのアンプよりもこっちの方がいい感じなんですよ。AmazonでACアダプタ付きで3000円くらい。こういうアンプで十分です。これを3つ並べてもいいのですが、ちょっと芸がありません。それに、トーンコントロールはDSP側が調整するので邪魔だし、Bluetoothや可搬メモリ内の音楽ファイル再生機能も不要。

もっとアンプ機能だけに特化したやつが良いと思ってAmazonを徘徊して、評価のために買ってみたのがこれ。
IMG_20210131_134029
アンプが1580円。ACアダプタが1999円。ACアダプタの方がデカくて高い。こんなので80W+80W。オーディオの世界ではD級と呼ばれるものです。いわゆるPWMアンプ。使っているアンプICはSTマイクロのTDA7498。

鳴らしてみました。
最初、フロア・ノイズが酷いしボリュームを絞っても高音が割れているみたいで、なんだこりゃ状態。電源ノイズを調べてみたり等いろいろやっているうちに、手前にあるDIPスイッチが入力ゲインの設定だとわかったので、入力ゲインを最大値に設定したらノイズも実用可能なレベルにおちて、音質も良くなりました。
IMG_20210131_153622
少しフロアノイズ・レベルが大きいような気がしますが、自分自身の耳鳴りよりは小さいので問題ないです。採用することにします。

これをあと2枚買って、あと電源も。