“Sting Ray”の真実

知人のFacebookで知った、clicccar.comの記事。

草木湖に集まったシトロエン、シムカ、ルノー、ポルシェなどの名車たち【ダムサンデー@草木 Vol.3】

6月のダムサンデーの時のものですね。私のコルベットも紹介されていました。
これを読んで、ライターの情報ソースがWikipediaであることがわかってしまいました。

この一文。
200627-01

日本語版Wikipediaには、こうあります。
「ネーミングにも変化が生じ、1969年から“スティングレイ”の呼称が復活(ただし綴りはStingray)した。その後1978年のマイナーチェンジにて、再び“コルベット”名義に戻されている。」

これね、Wikipediaが間違っているんです。多くの自働車誌の紹介記事も、ほとんどが間違っていて、今となってはWikipediaが悪いのか、自働車誌がわるいのかわかりません。

本当のところは、1968年式にだけ、C2と同じ”Sting Ray”の呼称が与えられています。ただし、バッジは付いていません。
GM Heritage Centerのサイトにある1968年式のカタログ。
マーカーの部分に注目してください(写真はクリックすると拡大します)。”the ‘68 Sting Ray Coupe”と記載されています。バッジは付いていませんが、”Sting Ray”なのです。そして、翌年の69年式から”Stingray”のバッジが付くようになったことで、上記のWikipediaの記載になるのです。
200627-02

したがって、大方の記事やWikipediaは間違っていて、正しくは
”Sting Ray” 1963-1968 (C2, C3)
”Stingray” 1969-1976 (C3)
日本語のWikipediaは、1978年と書いていますが、これは日本語Wikipediaのみの間違いです。

ところで、古いコルベットに乗っていると言うと、
「スティングレイ?」
と聞き返されることがよくあるのですが、「スティングレイ」という名称でその人が頭に思い描いているのがC2なのかC3なのか分からずに、答えを躊躇することがよくあります。おそらく、私と同世代の人の「スティングレイ」はC3。私より上の世代の人にはC2なんだろうなぁ、と思いますが。
「はい」と答えて間違いではないのでそう答えますが、その後の会話で「ああ、この人のスティングレイはC2だ。」と思う事が時々あります。スティングレイは上述したように複雑な事情になっているので、いちいち説明しませんけど。

ところで、私よりずっと若い世代になると、「スティングレイ」はおそらく軽自動車のワゴンです。いまだに、なぜ日本で軽自動車にこの名前が使われたのかは、不明です。