エンジンがかからないどころか、全電源が来なくなってしまったコルベット。しばらく放置するつもりでしたか、なぜか突然やる気が出たので、修理しました。
まず最初に、バッテリーを切り離してバッテリー充電器をクルマに繋ぎます。
電気系をいじる時にはバッテリーを切り離すのは基本のキですが、それだとどこが不良なのか判りません。バッテリーだと、ショートさせてしまったときに大電流が流れて危険です。そこで、バッテリーの代わりに安物のバッテリー充電器を繋げます。バッテリー充電器が流せる最大電流は2~4A程度。さらにブレーカーが付いているので、ショートさせてしまってもブレーカーが落ちてくれます。
ここで使うのは安物というのが重要で、高級品はマイコンが電流制御してたりするので、バッテリーに繋がっていないと電流を流してくれなかったりするのです。
それからジャッキアップしてスターターモータ周辺をチェック。
特に異常個所は見つからず。スターターモータまでは12Vが来ています。しかし、いろいろといじっているうちに、ホーンリレーのところにも12Vが来るようになりました。ネジが緩んでいるとか断線しているなどは見つからなかったのですが、配線を外したり付けたりしているうちに、どこかの接触不良が治ったらしい。端子周辺で見た目に怪しいところはなかったのですが。
一応直りましたが、不良個所がはっきり分かって処置したわけではないので、このままだと再発する恐れがあります。あまりやりたくはなかったのですが、再発防止策としてバイパスを通しました。
現象から、スターターモータとホーンリレーを繋いでいる線が怪しいのは間違いないと思うので、赤い線の経路を追加。
こういうことはできるだけやりたくなかったのですが、すぐにハーネスを全とっかえできるわけでもないので、仕方ない。いつかエンジンを降ろす時が来たら、そのときにハーネス全交換してバイパスは撤去します。
ジャッキを降ろして、バッテリーに戻して、エンジン始動10回テスト。問題なく、スターターモータは回るし、当然、すべての電源も復活しています。
というわけで、修理完了ですが。
故障診断中に一つとても不可解なことがありました。
バッテリーも充電器も何も繋いでいないのに電圧がある。
どこかに大きな容量のコンデンサーでもあるのかと思いましたが、ずーっと出ています。GNDとショートさせた後も、再び電圧が出るので、コンデンサーとは思えません。ただ電圧があるだけで、電流計を介してGNDにショートさせてみても、まったく電流は流れません。
一体どこに電位差を生み出す要素があるのだろう。まさか、イオン化傾向による電位差とかじゃないよなぁ。