アメリカからやっと届いたキャブレターの本。
4月中旬に届く予定で、ゴールデンウィークまでに読み込んで、ゴールデンウィーク中にオーバーホールする計画でした。オーバーホールキットは購入済み。しかし、いつまで経っても本が届かず。書籍用の安い輸送手段を選んだのでトラッキングナンバーは発行されず。
問い合わせたら、発送はしたけれどコロナの影響で遅れているのかもしれない。あと一か月待っても届かなかったら返金するよ 、という返事でした。それが届いたのが今日。
紙質は悪く、写真も見難いですが、情報量は多いので満足です。
私のコルベットは2バレルのキャブレターが3基載っています。この3基は同じキャブレターですが役割が異なります。中央のキャブレターがプライマリー。前後のキャブレターがセカンダリー。ほとんどの場面では中央のキャブレターしか動作していません。アクセルペダルを踏みこんで、バキュームが小さくなると、前後のキャブレターのスロットルがアクセルペダルに連動して開くようになります。空ぶかしではバキュームが小さくならないので、前後のキャブレターのスロットルは開きません。
低回転・低負荷時には2バレルで流速を稼ぎ、高負荷時は6バレルで流量を稼ぐ仕組み。
普通のキャブレターは、キャブレター1基の中にプライマリーとセカンダリーの役割を持つ回路を同居させているのですが、この形式の場合キャブレターごとに持たせる役割を変えているのです。
このような形式は1960年代のアメリカ車の中でも特にハイパワーモデルに採用されていました。各社で異なる名前をつけていて、GMは”Tri-Power”、ダッジでは”Six Pack”(2バレルが3基で6バレルだから)と呼んでいました。
しかし、70年代になると姿を消します。理由は諸説ありますが、私が文献で得た知識を総合すると、
・調整が難しく、オーナーや整備工場に不評だった
・キャブレターの開発が進み、大型のキャブレターでもアイドリングから高負荷までスムーズにエンジンを回せるようになった
・オイルショックと排ガス規制で高出力エンジンが搭載されなくなった
・コストダウン
これらの要素が重なったようです。
実際、調整は難しかったらしく、当時、多くの3キャブレター車が大型の4バレルシングルキャブレターに改造されたみたいです。
クラシックカーとなった現代では、独特の乗り味と構造をもつ3キャブレター車は価値が高くなっています。パフォーマンスに関しては、4バレルのシングルキャブの方が良いとも言われていますが、少なくとも見た目はカッコいいですからね。
それで、オーバーホールしようと思った理由ですが、始動時にアクセルをパカパカあおっていると、インテークマニホールドの窪みにガソリンが溜まっていることがあるからです。必ずではないのですが、あおる頻度が高いか、踏み込む量が大きいと溜まっています。多分、加速ポンプから漏れるのではないかと思います。場所も近いですし。
加速ポンプはキャブレターを外さないと触れないので、ついでにオーバーホールも、というわけです。
ところが、本が遅れたためにゴールデンウィーク中のオーバーホールは出来ませんでした。それに一か月前まではやる気満々でしたが、今は面倒な気持ちの方が大きくなっています。とりあえず、再びやる気になるまでは放置かな。