Hertzの思い出

まさか、あのHertzが倒産とは。

アメリカ在住時の国内旅行は旅費を安くするためにDollerなどの格安レンタカー会社を使っていました。

しかし、日本に戻ってから仕事でアメリカに行った時のレンタカー費用は会社持ちなので、いつもHertz。

格安レンタカーと違って、空港に直結したカープールを持っているから便利というのも、もちろん理由の一つでしたが、Hertzを使う本当の理由はそれではありません。

Hertzは昔からマニアックなクルマを揃えているのです。

私がアメリカ出張時に借りていたクルマは、これ。

マスタングGT
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チャレンジャーRT
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カマロSS
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コルベット・コンバーチブル
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どれも400馬力超です。これらをローテーションで借りていました。マスタングなんかは気に入って、4~5回借りたような気がします。

こういうのって高いと思うでしょ? 実際、価格表では高いのですが、実は安く借りるテクニックがあるのです。

事前予約はフルサイズのセダンでします。普通なら予約してあるので直接カープールに行ってクルマを乗り出すのですが、そうせずにわざわざカウンターに行きます。そして、カウンターでアップグレードの交渉をします。

レンタカーは4枚ドアから出ていきます。人や荷物が積めないクルマは役立たずですから、2ドアクーペとか2シーターとか燃費が悪いクルマは、あまり借りられることがありません。レンタカー会社としては人気のある4枚ドアは飛び込み客のためにできるだけ確保しておきたいのです。

だから、カマロがいいとかマスタングがいいとか言うと、空いている限り、セダンの金額でOKしてくれます。ただ、そのままだと普通のグレードになってしまうので、そこから先は話術のスキルが必要です。

「嫌な上司に命じられてさ、ここで一人で二週間過ごさなきゃならないんだよ。でも、ここはとても綺麗なところだし、ドライブの楽しいクルマがあれば嫌な気持ちも明るくなるんだけどなー。」

みたいな感じで、カウンターの担当者が男性なのか女性なのか、年配なのか若いのか、マネージャーなのか下っ端なのかを見極めて、会話をします。

たとえば、マネージャーだったら部下の悪口、下っ端だったら上司の悪口を言うとかですね。Hertzのカウンターの人の裁量権は結構大きいらしく、こんな会話をすることで、ほぼ8割は成功します。

そんな事を数回繰り返すと、たぶんコンピュータで表示されるのでしょう、過去の記録をみて向こうから

「今日ならキャデラックのCTS-Vがあるわよ。あなたのためにあるようなクルマね。」

などと言ってくれるようになりました。

そんなカウンターでの楽しいやりとりが、Hertzの思い出です。