前回、12キーのキーボードキットを組み上げて、構造とソフトウェアを大体理解したので、次は実際に文字入力に使えるものを組んでみようと思いました。
PCBは市販のもの使いますがキット物ではなく、単品で部品を揃えることにして、AliExpressで中国の自作キーボード専門店に発注したのですが、春節が終わっても全然発送されず。例の新型コロナウィルスの影響かもしれません。
しびれを切らして、日本で売っているキット物をもう一つ作ってみることにしました。中国に発注したやつはそのまま放置しておいて、もし届いたらそれも組み立てます。
せっかく自作キーボードなので、既製品ではほとんど見かけないセパレートタイプを組んでみることにして部品を揃えました。セパレートとは、右手と左手でそれぞれ別の筐体を使うキーボードのことです。私も使ったことはありませんが、自然な姿勢でキー入力ができるということで、自作キーボードの世界では一番多く見られます。
PCBとアクリルプレート。
セバレートなので、右手用と左手用の2枚になります。キットなので、ダイオードや制御用のマイコンも同梱されていて、購入の手間が省けます。
スイッチ。
自作キーボードのキットは、スイッチとキーキャップは必ず別売りです。スイッチやキーキャップは自分で選んで好みのタッチを選択するのが、自作ならではの楽しみということでしょう。
私は、どちらかと言えばノートPC的なメンブレン方式の方が好きなのですが、自作キーボードの世界では機械式一択です。ただし、キータッチに関しては、ストロークや反発力、クリック感のあるなしなど、わずかな違いのものがたくさん出ています。
キーボードスイッチの業界ではドイツCherry社のMXというスイッチがデファクト・スタンダードになっていて、Cherry社以外にも多くのメーカ(主に中国メーカ)が、互換形状のスイッチを製造・販売しています。クリック感のありなしや、反発力などの仕様違いでスイッチの軸の色が異なるので、たとえば、「Cherry MXの青軸」とか「赤軸」などと呼んで、製品を区別します。
今回選んだスイッチは、GATERONのクリア軸。当然、Cherry MXの互換品。ただし、Cherry MXにはない仕様のもので、機械式スイッチの中では最も軽い力で押せるものです。クリック感はありません。これだけは通販ではなく、お店で直接触って決めました。
キーキャップ。
一番入手に苦労するのはこれです。私は、とても少数派の「かな入力」を使います。これまで、かな入力を使う人に出会ったのは、多分5人以下。世間一般ではローマ字入力が圧倒的に多い。しかし、市販されている日本語キーボードのほとんどは、キートップに「かな」が印字されているので、まだ少数ながらも「かな入力」の人は存在しているのだと思いたい。
一方で、ローマ字入力をする人にとっては、この「かな」表記は邪魔ものなわけで、自作キーボード用として売られているキーキャップには「かな」が表記されていることが少ないのです。それと、海外のキーキャップのメーカでもJapanese仕様として「かな」が表記されているキーキャップを売っているのですが、どこでどう勘違いしているのか、Enterキーが横長の英語キーボードベースのJapaneseなので、「む」が変なところにあったりして、使えないのです。
それで、いろいろと調べて発見したのが、既製の機械式キーボードメーカが補修・交換用として販売しているキーキャップ。機械式キーボードメーカも、スイッチは前述のCherry MXを使っているので、その補修用キーキャップが自作キーボードにも使えるということ。
自作キーボードに関するネットの情報では、誰もそのことに言及していないので、多分、私が初めて思いついたのではないかと思います。まあもっとも、普通の人はキートップに「かな」表記が必要ないので、苦労しないということだと思います。
そういう調査の結果、購入したのがFILCOの交換用キーキャップ。フルキーボード用のセットですが、それでも自作キーボード用として売っているキーキャップより断然安いです。良いアイディアでした。
最後に、これは部品ではなく工具ですが。リードベンダー。
自作キーボードのことを調べていて初めて知った工具です。電子部品の足を決められた間隔に綺麗に折り曲げるためのもの。
キーボードは単純な構造ですが、繰り返しが多いのです。例えば、ダイオードなどはキーの数だけはんだ付けしなければなりません。一個一個部品の足を曲げるのも、面倒だしなかなか揃わない。これを使えば、早くきれいに足が曲げられるというわけ。
なくても組み立ては出来ますが、あれば楽になる工具はできるだけ購入した方が良いです。
以上、部品が揃ったので組み立てを開始しますが、平日は仕事から帰ってきてからのやる気は出ないし、休日は他にもやりたい事が多いので、製作に何日かかることやら。