4Cを買おうと思った最大の理由は、カーボン・フレーム構造であることです。
「カーボン・モノコック」と称している記事がありますが、あれは間違っていると思います。正しくは、「カーボン・バスタブ・フレーム」と呼ぶべき。
モノコックは外被が応力を受けている構造のことで、4CはGFRPの外被を別に持っていますから、モノコックではありません。
(ああ、ヲタクは面倒くさいな、と思ったでしょ? 私も書いていて、そう思いました。)
ここで「カーボン」と言っているのは、CFRP:Carbon Fiber Reinforcemet Plasticのことです。日本語では「炭素繊維強化樹脂」。CFRPと呼ぶより、こっちの方が中二病的でカッコいい。
ちなみに、外被に使われているGFRPとはGlass Fiber Reinforcemet Plastic:ガラス繊維強化樹脂のことで、一般的にはFRPと呼ばれますが、広義においてはCFRPもFRPの一種です。
私はCFRPとは縁が深くて、半導体製造装置の構造に積極的にCFRPを取り入れる開発をしました。したがって、CFRP構造の設計については、一般の人よりは多少知識があります。何度もCFRPメーカと協議を繰り返し、数年にわたりCFRP材の特性変化を観察して、CFRP独特の構造設計も考えました。
当時の社内向けのプレゼン資料には、ケーニグセグのカーボンモノコックボディ(こっちは本当のモノコック)を載せた記憶があります。たしか、こんな写真。
それが良かったのかどうかわかりませんが、無事に開発が承認されて、それまではアルミとセラミックスの複合構造だったものをフルカーボンで作りました。
あれはカッコ良かったなぁ。
CFRPの設計について書き始めると、多分、本が一冊書けるくらいは語れます。でも誰も興味を持たないと思うのでやめておきます。実は、この記事の下書きもCFRP構造について、アップロードした分の20倍くらいの字数を使って語っていますが、泣く泣く削除しました。
興味がある人は、個人的に連絡ください。仕事としてCFRP構造体の設計も請けますよ。
あれから何年経ったのか。
そんなことはすっかり忘れていたのですが、4Cの資料を眺めていて、ふと思い出しました。当時は、まさか自分がカーボンフレームのクルマに乗るときが来るとは思ってもいなかったなぁ。