[Project C3] トランスミッションを考える

ミーティングで時々質問される10,400cc(632ci)エンジンプロジェクト。最近記事にしませんが健在です。今の状態の完成度を高めることに力を注いでいるので、記事になる頻度は減っていますが、ちゃんといつも考えています。

10,400ccエンジンプロジェクトは10年のスパンで考えています。前のC5Z06のときも10年乗って、少し飽きが来たのでフレアフェンダー化して新鮮な気持ちで楽しめるようになりました。C3も10年乗って少し飽きが来たところで10,400ccへの換装を始めれば、その次の10年も楽しく乗れるだろうと思います。

ただし、順番としては、エンジンの前にトランスミッションだと思っています。10,400ccのエンジンのトルクに今のトランスミッションは耐えられないと思うし、今でも5速がないのでちょっとスピードが出てくるとエンジン回転が高くて落ち着かない。100km/hを1,000rpmでも巡行できるトルクを持ちながら、今の4速では2,500rpmくらい回ってしまいます。

というわけで、エンジンの前に、まずトランスミッションの交換を考えています。日本では他車種からの流用が基本ですが、アメリカではエンジンと同様にトランスミッションも汎用品として様々な種類のものが手に入ります。

とはいえ、現代の高出力車用の汎用トランスミッションは、ほぼTREMAC一択です。

C3用の載せ替え用TREMACとノーマルのMuncie M21のギア比を比較してみましょう。

1st    2nd    3rd    4th    5th    6th

2.97,    2.10,    1.46,    1.00,    0.80,    0.63 TREMAC T-56 Wide

2.66,    1.78,    1.30,    1.00,    0.80,    0.63 TREMAC T-56 Close

3.27,    1.98,    1.34,    1.00,    0.68 TREMAC TKO-500

2.87,    1.89,    1.28,    1.00,    0.64 TREMAC TKO-600

2.20,    1.64,    1.27,    1.00 Muncie M21
 

一番下が、今搭載されているノーマルです。現代のトランスミッションと比較しても、ローギアが高くて、かなりクロースな設定になっています。元々、排気量が大きくて低速トルクはたっぷりですし、昔はそれほど渋滞もなかったでしょうから、こんな感じで良いのでしょう。

実際、運転しているときに、1速と間違えて、うっかり3速で発進することをたまにやらかしますが、特に難しいことはありません。走り出してから、

「あれ、今の3速だったか。」

と思う程度です。

選択として、まずは5速にするか6速にするかですが。

実は5速と6速で、一番上のギア比は、ほとんど同じです。なので、高速道路での回転数はどちらを選んでもほぼ同じ。6速トランスミッションの利点は高速サーキットを走るときに、5速を使えるという点です。あと、トルク不足のクルマで最高速を狙うなら0.80を使うとかでしょうか。

私のC3をサーキットでぶっ飛ばすということは考えていないですし、トルクも十分なので、5速を選択します。

そうすると自動的にTKOシリーズになります。ギア比的にTKO-500は1速が3.27で低すぎます。それと、TKO-500とかTKO-600とかの3桁の数字は最大トルクを意味しています。TKO-500は500[lb-ft](678[N・m])。632エンジンは800[lb-ft](1080[N・m])以上を出しますから、TKO-500では耐えられません。必然的にTKO-600になります。これでも数値的には全然足りていませんが、最大トルクを発するような状態は、車両安定デバイスが何もついてないクルマでは制御不能なので、まあ考えなくても良いと思います。それにしても1000N・m超えかぁ。そんなクルマ、聞いたことがない。

これがTKO-600。TREMACのアフターマーケット用トランスミッションです。
シフトレバーの前方に蓋が二カ所にありますが、クルマによってシフトレバーの位置を変えられるようにするためです。
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C3 Corvetteのコンバージョンキットで、$3,800くらい。日本への送料が$800くらいなので、まあだいたい約50万円ですね。それとプラス10%の消費税をわすれてはいけない。