このCorvetteを買った時からですが、キャブレターのインレットの継手からガソリンが漏れていました。
増し締めすると止まりますが、しばらくするとまた漏れます。
継手や配管類が劣化しているのだろうと思って、燃料ポンプ以降の配管を全て新品に交換しました。
しばらくは、それで収まっていたのですが、最近になってまた漏れるようになりました。
調べると、どうやらこれはTri-Powerエンジンのの持病なようなものらしく、多くの人が困っているものの、決定的な対策方法は示されていません。
漏れる箇所はここ。キャブレターのインレットの部分。
Holleyのキャブレター・インレットは7/8-20の面シール。これにアダプタを入れて、3/8のインバーテッド・フレアで金属パイプを接続します。
そして、その金属パイプの反対側も同じくインバーテッド・フレア。このフレア継手のネジは5/8-18。
問題その1
キャブレターと金属パイプを繋ぐためのアダプタは、周囲が狭くて、まともな工具が入りません。製造工程では、インレットの付いたフューエル・ボウルがキャブレター本体から外れているときに、アダプタを取り付けているのだと思います。しかし、すでに組み立てられたところから、そこに戻すのはほとんどキャブレターのオーバーホールに近い。
どうしても、キャブレターがエンジンに付いた状態で取り付けようとするので、工具が中途半端にしか入らず、しっかりと面シールのネジを締め付けることができません。
問題その2
そのアダプタにフレア継手のパイプを繋げるのですが、そのパイプの反対側もフレア継手です。そうすると、一方の継手のネジを締めることは、反対側のネジを緩める方向に力が加わります。そのため、継手のねじには常に緩めようとする応力が加わった状態になっています。
金属パイプが長ければ、それもあまり問題にはなりませんが、4cm程度しかないために、ねじが緩む方向に強く応力を持った状態になっています。
普通なら、それでも緩むことはないのですが、問題その1のアダプタ。これがしっかりと締められないことで、ここから緩んでくるのですね。
自動車メーカの製造ラインではしっかりと締め付けることができても、後の整備作業で外してしまうと、次は十分な締め付けができないのが、根本的な問題。
さて、どうするか。
金属パイプをやめて、ホースにAN継手というのを真っ先に考えました。見た目がオリジナルから離れてしまいますが、火災の可能性と天秤にかけたら仕方ありません。
それで寸法とかを測って継手類を選定したのですが、キャブレターのこの辺はTri-Powerの複雑なリンケージがあって、ホースが通せる空間がありません。どうりで、ネットをいくら調べても、だれもやっていないわけです。
やはり金属パイプでいくしかないようです。専用工具を作るという手もありますが、色々と面倒です。
Holleyのパーツカタログを眺めているうちに、良いものを発見しました。
それを説明する前に、まずこれが、GMの純正品。六角の位置に注目してください。この位置だと、フューエルボウルがすぐそばにあって、ソケットが入らないのですよ。
そして。こちらがHolleyのパーツリストで発見したアダプタ。Holleyの純正部品です。六角の位置がGM純正品とは異なります。これならソケットが入りそう。
若干見た目が変わりますが、違和感を感じない程度です。
さっそくこれを注文しました。