このコルベットは製造されてから50年。何度かのレストアを経て、ここにいます。
50年生き延びたクルマは、かなりの確率で次の50年も生き延びると思います。でも、私はたぶん生きていないでしょう。
これは過去50年間の記録。すべてが残っているわけではありませんが、50年前の新車当時の書類もあります。受けてきたメンテナンスの記録や、オーナーによる覚書のメモなども残っています。写真もあります。
もしかしたら今から50年後、このクルマはどこかの博物館にガソリン車の記録として保管されるかもしれませんし、誰かのコレクションの倉庫にひっそりと収まっているかもしれません。
そのときに大事なのは、クルマ本体だけでなく記録です。私も50年後、100年後に受け継がれる記録を残していかなければなりません。
どうやって記録を残すべきか。
今、こうしてBlogに記録していることは、50年どころか10年だって怪しいものです。Internetが別のカタチになったときには、消えてしまうでしょう。このサーバーは15年以上借りていますが、浮き沈みの激しいネットの世界でサーバーの会社が倒産したりすることは当然ありますし、私が病気や死んだりしてサーバーレンタル料を払わなくなったら消えてしまいます。
基本的にクラウドだろうが何だろうがデジタル・メディアは長期保管には向いていません。例えば30年前の8インチのプロッピーディスクは、もはや読むことはできません。
今は簡単に読めるUSBメモリ、DVDも同じ未来が待っています。何かの拍子に電磁気が失われるか、読みだす手段が失われます。20年前、誰もが使っていたMDは、もはや若者が存在すら知らないものになっています。
そう考えると、100年後まで確実に残るのは、やはり紙。長期に記録を保存するなら、紙が最強です。
という事を考えて、紙で記録を残すことにしました。ノートにペンで記録する方式。旧式ですが、長期保存にこれより適した方法はないと思います。
そして、言語は英語にしておきます。
例えば15年後、免許を返納するそのとき。私の目論見が外れて日本では記録付きの古いコルベットの価値は低いかもしれません。そのときにはアメリカに戻す、あるいは中国に売るなど、日本以外の国で価値が出ている可能性があります。英語にしておきます。世界のどこでも通用します。