ヒーターが効かない、我がC3。
Owner's Manualを一生懸命に読んでも、ヒーターの動作が理解できず。
アセンブリ・マニュアルとUSのフォーラムの情報で、やっと理解できました。たぶん、初期のC3で操作方法に戸惑っている人もいると思うので(アメリカでも、よく質問されている)、ここに記載しておきます。
AC無しの場合です。
AC付きの車両は、もっと複雑ですが、逆に情報も多いので情報収集には困らないと思います。
まずこれ。
Air DistributorとかHeater Boxと呼ばれているものの構造です。
内気循環モードはありません。ヒーターは、必ず外気を導入します。
ヒーターコアには常時冷却水が流れています。バルブはありません。
ドアは3つ。左から、
#1 吹き出し口切替用ドア (DEFROSTER DOOR)
#2 全体を開け閉めするドア (AIR DOOR)
#3 温度調節用ドア (TEMP DOOR)
吹き出し口は、足元とデフロスタしかありません。
この構造を理解したうえで、操作パネルがこれ。
左右にあるVENTレバーはヒーターとはまったく別のシステムです。あとで説明しますが、ヒーターシステムとは何の関係もありません。
右側のダイアル。#3 温度調節用のドアを動かします。COLDにすると、ヒーターコアの流路を完全に塞ぎ、ヒーターコアをバイパスします。HOTにすると、全風量がヒーターコアを通過します。
左側のダイヤル。OFFの位置では、ドア#3を完全に閉めます。また、このとき、ブロワーの電源も切るので、ブロワーのスイッチがどこにあっても、送風しません。
このレバーは真ん中(AIR)までは、ドア#2が開く動作をします。ドア#1はヒーターの位置にあります。
真ん中からDEICEまでは、ドア#1を動かします。DEICEの位置では足元への経路を閉じて全風量がデフロスタに向かいます。
ヒーターシステムはこれだけ。
VENTレバーとの組み合わせで、今どきのクルマのように内気循環になったり、送風口が変わったりするのだと思うと混乱します。繰り返しますが、VENTレバーはヒーターの動作にまったく関係ありません。
そして次にVENTレバー。これはAstro Ventilationを動作させるためのものです。
VENTレバーは足元、左右のキックパネルにある空気吹き出し口のドアを開け閉めします。この吹き出し口は外気を導入するだけで、ヒーターとはまったく繋がっておらず、ブロワーファンもありません。走行時の風圧で外気を導入します。
C3 Corvetteの宣伝文句にAstro Ventilationという言葉が出てきます。私にはこれが謎でした。Astro Ventilationは、VENTレバーによって走行風を導入することと、リアウィンドウのすぐ後ろにあるスリットの動作のセットで構成されています。このスリットの内側にはゴム製のフラップが付いていて、走行時にスリットの部分が負圧になることで、車内の空気吸い出す方向に働きます。
フロント側の正圧帯から室内に導入された空気が、リアの負圧帯から吸い出されることで、積極的に車内の空気を外気と交換する仕組み。68年式は、リアのベントフラップがゴムですが、69年式以降はバキューブでフラップを駆動するようです。
Astro VentilationはAC無しの車両にしか装備されていません。少しでも車内を涼しくする工夫ですが、夏に40℃を超えるこの地では、あまり役にたたないなぁ。