これまでのオーナーが残した数百枚の書類。
これらを見ていて、だんだんこのクルマの履歴が見えてきました。
私は8番目のオーナーになりますが、このクルマに一番お金を投入したのは6番目のオーナー。
このオーナーの時に行われたボディとシャシーのレストアによってクルマの価値が5倍くらいに跳ね上がっています。
このレストアが行われたのが大体2000年から2001年にかけて。今から18年前のことです。そのときで、すでに製造から32年が経過しているので、それ以前にも部分的にレストアされていました。7番目のオーナーが作成したメモをもとにレシートを確認すると、だいたいこんな感じです。
1983年 内装のレストア
1990年 エンジンヘッドのO/H
1992年 駆動系のレストア
1997年 エンジンオーバーホール
2000~2001年 ボディ/シャシー/エンジン/駆動系のフルレストア
2003年 バルブ周りのO/H(←なぜ? たった2年前にエンジンO/Hしているのに)
2005年 冷却系のO/H、ラジエターのコア増し、メッキパーツの再メッキ。
2006年に、6番目のオーナーに引き継がれて以降は、一般的な修理や消耗品の交換にとどまっています。
1968年から81年くらいまでは、あまり記録がありません。まだ製造から12年程度で、一般的な趣味車として扱われていたでしょうから、初期の記録があまりないのは普通のことです。1982年に引き継いだ3番目のオーナーあたりから、レシートが保管されはじめます。この辺からクラシックカーとなるべく、ヒストリーの保管が始まったことになります。
2001年以降、走行距離が極端に減っているので、コレクターカーの扱いになっているのだと思います。まあ、製造から33年。あれだけの費用をかけてレストアしたのですから、残りはコレクターカーとしての人生を歩むのも当然かと思います。そして、それから17年、ほとんど走行しないまま(記録上は6,000マイル程度)、今に至ります。
いくつか、まだハッキリしないことがあります。
1. 記録の流れを追っていると、エンジン・ヘッドは一時期別のものが付いていて、再びオリジナルに戻されているように見えます。しかし、それがいつの時点で行われたのか、わかりません。
2. GMの出荷時にはハワステは付いていませんでした。まだ、はっきりと確認できていませんが、現車にはパワステが付いているようです。6番目オーナーによる車両の説明書きではパワステ無しとあるので、7番目オーナーによってインストールされたのだと思いますが、いつの時点で、どこのものを入れたのか、まだ記録が見つかっていません。
3. 一時期、非純正品のデスビとMSDを付けていたようです。しかし、現車は、すくなくとも外観上はオリジナルパーツに戻されているようです。いつ、戻されたのか、まだ記録がはっきりしません。
そして、これが最大の謎なのですが。
購入時に私が最後まで迷った68年式スモールブロックの赤のコンバーチブルも、同じオーナーが所有していた可能性があります。
これは、写真データのサムネイルのプリントアウトなのですが、その中に例の赤いコンバーチブルが写っています。(写真下、赤の囲みの部分)
2014年に、おそらく7番目オーナーの自宅で撮影されたもののようです。家族が一緒に写っていますから。
これだけなら、複数コルベット所有はアメリカでは珍しくないので、特に驚くことではないのですが。
この写真は、2001年にJ&D Corvette(フルレストアをしたショップ)で撮影された写真。
一番先頭、テントの下で持ち上げられているのが、私のコルベットですが、その後ろの赤いフレアフェンダーのコンバーチブル。これは、まさしく私が購入を悩んだ車両。
確かに、赤いコルベットもJ&D Corvetteでレストアされたという報告がありましたが。
しかし、この時期の私のコルベットのオーナーは、6番目。7番目の人に移るのは、この5年後です。これは偶然なのか。それとも、いつも2台セットで売買されていたのか。これらの2枚の写真には13年の隔たりがありますが、両方の写真に2台が同時に写っているのはどうしてなのか。ただの偶然なのか。
うーむ、これの真相を知りたい。
あ、あれ? これを書いていて、何か強烈な既視感があります。
以前に、何かでこのストーリーを読んだことがあるような・・・ でも、思い出せない。