今日、ちょっと遊びに行った自動車修理工場で、エンジンがかからないというトヨタMR2に首を突っ込んでしまいました。
エンジン制御がAPEXiのPowerFCというやつ。名前を聞いたことはあったのですが、触るのは初めて。
とりあえず噴射量補正マップを見てみました。すると、このクルマはNAのはずなのに、吸気管圧力に正圧がある。あれ? これターボのマップじゃないですか。
エンジンには、バルタイ調整可能なタイミング・プーリーが付いていたり、ステンレス製のいいカタチをしたヘッダースが付いていたりするので、かなりイジってあるやつみたい。ただ、オーナーは中古で購入したので、エンジンの中身まではっきりとは判っていないらしい。
PowerFCはMOTECのような汎用ECUなのかと思っていたら、車種別の専用品で、SW20のMR2にはターボ用の設定しかないのだそうです。どこかのチューニングショップが、改造したNAエンジンの燃料制御をなんとかしようと思ってターボ用のECUを無理やり使うことを考えたのでしょう。
ま、悪い方法ではないと思いますが良くもない。マップの使える領域が半分になって、制御の分解能も半分になってしまいます。吸気管圧力の最大値を書き換えられれば良いのですが、ソフトウェアは、それっぽいメニューがグレーアウトしていて、変更できないようになっていました。販売戦略上の都合でしょう。
このクルマを作ったチューニング・ショップがどこなのかは知りませんが、汎用ECUを使うだけの知識はなかったのでしょう。NAエンジンにターボ用のハーネスをくっつけて、ターボ用のPowerFCを繋げるなど、頑張ったことは伺えますが。
それはともかく。エンジンがかからないというのは、別の話。
燃圧はある。火花も飛んでいる。点火時期も、大体OK。圧縮も、もちろんある。でも、エンジンがかからないのは何故?
インジェクタの補正値を極端に小さい値にすると、少しだけ回るんだけど。どんなに色々といじっても、プラグが濡れないんですよ。噴射量が極端に少ないみたいなんだが・・・
ECUの配線の作りが雑で、何本か抜けていたりするし。まずは、この辺の接触不良が一番怪しい。
3時間近く、いろいろやってエンジンがかからず。悔しい思いをしました。
次週はオシロスコープを持ち込んで再戦とします。それまでPowerFCについて調査。