Tri-Power

アメリカで希望に叶う2台を見つけて、今は現地エージェントの車両確認の報告待ちの状態です。

その2台のうちの1台は427エンジンのTri-Power。エアクリーナが三角形なのが特徴。出力は仕様によりますが、400~435hp。グロス表示とはいえ、1960年代に400hp超えでしたから、当時の日本車ではまったく太刀打ちできなかったでしょう。
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エアクリーナを外すと、Holleyの2バレルキャブ3連装が見えます。これがTri-Powerの名前の由来。コルベット・エンジンでマルチ・キャブレターが採用されていたのは1969年が最後。
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小学生のとき、スーパーカープームというのがありまして、クルマなんか運転したこともない子供が、300馬力以上のクルマは素人には運転できないとか、コルベットは毎週末に高速道路をぶっ飛ばさないと、エンジンが調子悪くなるなど、信憑性不明の情報で、いろいろと激論を交わしたものですが。
実際のところ、どうなんでしょう。少なくとも300馬力の件は、まったくのデタラメだったと今なら判りますが。Tri-Powerは気難しいという記述をアメリカのwebサイトで見かけることはあります。
興味深いのは、伝説と化しているL-88エンジンは、Holleyの4バレル、シングル・キャブレターだったことで、レース現場では、より構造が単純で扱いやすいシングル・キャブレターの方が好まれたのかもしれません。
実際、GT40に載っていたWeberのクアッド・キャブレターには多少苦労させられたわけだし、燃費はとっても悪かったのですが、あれは本来レース用として作られた仕様を模して改造されたもの。コルベットの公道走行用としてGMが開発したのとは、わけが違うと思うんですよ、仮にも一般市販車なわけだし。ただ、キャブレターのオーバーホールをしようと思ったら、2バレルとはいえ3個分やらなければならないのは、現実的な手間です。

日本の中古車屋では、レアと書かれていたりしますが、本当のところはそれほどレアでもなく、1967年から69年にかけて15,600台が製造されています。
しかし、この時代のCorvetteと言えば、Big-BlockのTri-Powerをイメージする人は多く、リセールバリューは、当然のことながら同年式のSmall-Blockより期待できます。
Tri-Powerは69年が最後で、それ以降はシングル・キャブレターになりましたし、Big-Blockは75年を最後にCorvetteに搭載されなくなりましたから、Classic Corvetteを選ぶなら、Tri-Powerがいいかな、と思っています。