2016年の夏ごろからミッドエンジン・コルベットの噂が流れ始め、最近ではエンジンのCAD画像の流出や、テスト車両のスパイショットなどが、ネットに掲載されています。
写真はCorvette Forumから
耐寒テストのスパイショット。
LT7と言われているツインターボ版のミッドマウントエンジンCAD画像
1月14日から開催されるデトロイト・モーターショウでは何らかの発表があると予想されていて、一部ではC8コルベットがミッドマウント・エンジンになるのは既定路線のように語られていますが。
私は、どうもC8コルベットがミッドマウントになるとは思えないんですよね。
一番上のスパイショット。C8としてデビューさせるには、あちこちにC7の面影が多すぎるというか、C7をミッドエンジンにしてみました、という印象が強い。これをC8として販売するには、デザインが安易すぎではなかろうかと思うのです。
それと、コルベットの最多購買年齢は50歳代。コルベットにあこがれ、コルベットはどうあるべきか、ということをしっかりと自分に持っている人たちです。一部に先進性を求めながらも、コルベットのアイデンティティとしての保守的な部分も残さなければなりません。ミッドマウントは、やりすぎだと思うのです。これはまったくの私見ですが、フロント・ミッドマウント、OHV、モノリーフサスペンション、FRPボディ。この辺がコルベットのアイデンティティだと思います。これらから外れると、それはもうコルベットとは言えないのではないかと。
コルベットは、コンセプトカーや習作を発表することがよくあります。よく知られたものだと、映画「トランスフォーマー」に出てきたコルベット・コンセプト。当時はC7ではないかと言われていましたが、実際に発売されたC7は、これとはまったく異なるデザインでした。
コンセプトカーの中にはとても完成度の高いものもあって、1997年に発表されたTiger Shark。ツインターボエンジンを搭載していて、多くの人が、これの販売を心待ちにしましたが結局販売されませんでした。
ミッドマウントのコルベットも過去3台発表されていて、たとえば1990年に発表されたCorvette CERV-III。これもミッドマウントです。当時はまだインターネットが普及していませんので、海外の雑誌で次世代のコルベットはミッドマウントだと騒がれたのを記憶しています。
一見するとC5のミッドマウントに見えますが、C5が発売されたのは1997年ですから、それよりも7年も前のことになります。でも、フロントバンパーのデザインは、ほとんどC5と同じです。
私は、ミッドマウント・コルベットに関する記事を2016年にも書いていて、それから1年3か月を経過した今でも、見解は変わっておらず、C8がミッドマウントになるという意見には懐疑的です。
ちなみに、これはaria(GMが契約しているデザイン・コンサルタント会社)が昨年発表したミッドエンジン・コルベット・コンセプト。
コルベットのマークが入っているので、GM承認のもと製作・発表されたのだと思いますが、こういうのが色々と出てくるのがコルベットの特徴の一つでもあります。
そんなわけで、今回のミッドマウント騒動も、デトロイトモータショウではC8ではなくCorvette Conceptとして発表される、というのが私の予想です。