Corvette GXE

CESと言えば家電とかデジタル・ガジェットの展示発表会という印象でしたが、ここ数年は自動車関連技術の発表も多いです。CES関連のニュースを見ていて発見したのが、Corvette GXE。GENOVATION CRAS社が製作したC7 Corvetteベースの電気自動車。正式にはCorvetteの名前は付かず、”GXE”という車名なのですが、ボディにはコルベットのバッジも残されているので、私としてはCorvette GXEと呼ぶことにしました。
(写真はすべてGenovation Cars社のサイトから)
180111-01
800HP(597kW)  700lb-ft(949N-m) 220MPH(354km/h)
The World’s First Street Legal Electric Car to Exceed 220mph (354km/hを超える世界最初の公道走行可能な電気自動車) だそうです。
Genovation社は、すでにC6 Corvetteベースで209MPH(336km/h)の電気自動車の世界最高速度記録(IMRA)を達成しています。

これがモータ。
これを見ると、内燃機関の時代が終わりつつあることを感じます。
180111-02
モータ本体っていうのは冷却と巻き線の工夫がほとんどで、ブレイクスルーの要素は、今の時点ではあまりないです。重箱の隅をつつくような努力でモータ定数を高めていくしかありません。
出力を決める一番の要素は、IGBT。以前、特殊な形態の高出力モータ開発に携わっていたことがあって、その時のボトルネックは冷却とIGBTの耐圧でした。冷却に関しては自分たちの開発でなんとか進めることができますが、IGBTはデバイスメーカ頼みでした。当時は自動車業界の巨大資本がデバイス開発に注入され始めた時期で、電気自動車の開発が進むと、自分のモータの出力も上がるという図式になっていました。あれからそれなりに時間が経過して、IGBTの耐圧が上がったのか。それとも、サイリスタ(電車のモータは制御が緩いのでこれを使える)の新しい制御方法でも開発されたのか。その辺、興味深いですね。久しぶりに、少し特許と論文を漁ってみるか、という気持ちになりました。

ちなみに、GXEのお値段は75万ドルだそうです。GXEとほぼ同等の性能のZR1が12万ドルであることを考えると、かなりお高い。でも、GXEはベンチャー企業の手作り品で、開発費も相当載せてあるでしょうから、これをGMが作ったら20万ドルくらいになるんじゃないかと想像します。
というか、ZR1って安いなぁ。