ヒーターホースは交換したものの、週末は雨続き。
今週末はやっと晴れたので、続きの作業を実施しました。
LLCの注入。エンジンが鋳鉄ブロック、鋳鉄ヘッドなのでLLCは普通のでOK。
アルミエンジンの場合は、メーカ純正指定を推奨します。アルミに水を流すと孔食という現象を起こして、結構なスピードでアルミに穴があく場合があります。この辺は半導体露光装置の開発をやっていたときに、散々研究したので私はそこそこの知識があるのです。
アルミの孔食を防ぐために自動車メーカはLLCの開発に多くの資金と労力を投入しました。だから、アルミエンジンには絶対にメーカ純正品を入れるべきです。
でも、FORD301は鋳鉄なので、適当なのでOK。
ちなみに、常温の液体でもっとも比熱が高いのは純水。したがって、冷却水には純水を使うのが一番なのですが。
一方で水に混ぜ物をすると沸点が上昇します。一般にオーバヒートと呼ばれる現象は沸点を超えたことにより液体の中に気相(泡)が発生し、気相の部分は熱伝達率が極端に小さくなるので、それで冷却効率が低下して、さらに温度が上昇しという負のサイクルに突入することです。
したがって、混ぜ物をして比熱が下がっても沸点が上がれば高い冷却水温度にすることができ、熱容量も大きくなります。そして、空気との温度差も大きくなって、ラジエターの熱伝達率も向上するというのが、LLCの概念です。それと、多分こちらの方が重要な機能だと思いますが、防錆剤としての役割があります。
LLCについては、私の研究課題だったこともあって、いろいろと語れることは多いのですが、とりあえず今回はここまでにして。
LLCの注入で一番面倒なのはエア抜き。GTD40の場合、ラジエターの上部にエア抜きのバルブが付いているのですが、これがこんな形のやつで。
多分6/32インチの八角ソケット。アメリカの工具メーカのラインナップにはあるのですが、それを日本で売っているのが見つからず。日本の工具メーカには、インチはあってもこのサイズのラインナップがありません。
一番近いのがTONEの5.5mmの八角。6/32インチが4.8mmだから、多分回せるだろうと目論んで購入。肉厚だったので、ソケットの外周を旋盤で削って薄くすることで、回せました。
今回はこれで対処しましたが、ちゃんとサイズのあったソケットをアメリカから購入しておくことにしましょう。それにしても、なんで四角ボルトなんて使うかなぁ。六角じゃダメなんでしょうか。
それから、このエンジンはなぜかリザーブタンクがオーバーフローします。リザーブタンクのドレンが垂れ流しだったので、即席のキャッチタンクを付けました。そのうち、アルミ製のカッコいいキャッチタンクを買うつもりですが、今はとりあえずこれで。
しばらく走って、エアが完全に抜ければオーバフローもしなくなるのではないかと思っていますが。
次はキャブレター。
今まで、同調をとらなかったのはベロシティ・スタックの口径が大きくて、エアフローメータの口が合わなかったから。
そこで、旋盤でアダプターを作りました。
色が黒いのは、会社に転がっていた端材がスチールだったので錆びないように塗装したから。クルマの部品なので、アルミで作りたかったのですが、ちょうど良いアルミの端材がなかったんですよ。
ベロシティ・スタックとの接触面にはネオプレンゴムを貼って、空気漏れが起きないようにしてあります。
結構同調が狂っていたので、これを調整。
そして試走。
ホースバンドの締めが甘い箇所があって漏れが発生していましたが、増し締めで漏れなくなりました。前回、シートを改良したことや、慣れてきたこともあって、だいぶ積極的な運転ができるようになってきました。軽くホイールスピンして発進させてみたり(車重のせいか、結構簡単にホイールスピンする)、スロットル全開ではないけれど7000rpmまで回してみたり。
これから少しずつ負荷をかけて、さらに信頼性を高めていきます。