会社から自宅まで40kmほど走って、エンジンが止まってしまう事の他に、必要な整備をリストアップしました。やはり、クルマは走らなければ、必要な整備項目がわかりませんね。
このクルマは奇跡的に新車なのですが、手作り車の場合は新車状態が一番大変なのです。ある程度走行している個体であれば、前オーナーによって基本的な対策は済ませられています。このクルマの場合、その基本的な対策を今やっているという事です。20数年前、スーパー7を新車で買った時にも、同じ苦労をしました。
一応、重要度の高い順に。
1. ブレーキのエア抜き
エア噛んでます。ついでに、フルード交換もしてしまおう。
2. 電圧不安定の原因調査と対策
まず、電圧計が狂っているみたいです。エンジン始動中でも12Vを切った値を表示していますが、テスターで計ると、バッテリー端子で14Vくらい出ています。電圧計自身の問題なのか、配線の問題なのか。
そして、実際に電圧は不安定で、結構変動しています。それが見えるのが燃料計。この燃料計には電圧補償回路が付いていないようで、電圧変動によって燃料計の針が動きます。
オルターネータはFORDの3-wireのタイプ。ちょっと見た感じだとICレギュレータとオルターネータ本体との接続が怪しい感じです。接続を間違えている可能性があります。それにオルターネータのB端子の線材が細すぎる気が。
そもそもこのクルマ、電気系の配線がとても大雑把というか、プロの作業とは思えないほど適当。
たとえば、スターター廻り。この怪しさはちゃんとした人の作業じゃないですよね。左下にあるリレーだって最初は配線にぶら下がっているだけでしたからね。とりあえずの処置として、タイラップで縛ったのは私です。というか、IGNスイッチさえ正しい容量のものを選択していれば、ここにリレーは要らんでしょう。
ダッシュボードの中もこんな感じ。なんだかなぁ。
きちんと作られている元のハーネスに、日本のレベルの低い電装屋が配線を追加したり変更したりして、改悪した感じ? そもそも電装屋じゃないかもしれないですね。ホームセンターのオーディオ取り付けレベルの人か?
550と同じように、完全にハーネスを作り直したいのですが、それを始めると3ヶ月はかかっちゃうので、今回はヤバそうなところだけ直していくことにしましょう。
3. スピードメータ不動
前から調べていたのですが、ホイール側の部品に問題がありました。中でギアが破損している可能性があります。カシメてあって、分解できるようにはなっていないのですが、流用元の部品がわからないので、カシメを削り飛ばして分解してみる予定。
4. キャブレターのアイドルジェット交換
以前に記事にしましたが、IDAなのにDCOE用のアイドルジェットが付いていた事が発覚し、正しいIDA用の60F10を入れてみました。空ぶかしでは問題ない感じでしたが、実走してみるとまだ少し薄いです。そこで65F10を入れてみて、濃すぎたら、次はエマルジョン・チューブを変えてエアを追加してみる方向で。
5. オーバーヒート対策
外気温33℃でエアコンオフ、信号待ちで105℃を超えてさらに上昇の気配。どこまで上がるかわかりませんが、精神的に良くないです。それにここら辺は外気温が40℃の日も珍しくないし。
ただ、これは難しいんですよね。ちゃんとした自動車メーカが計算したうえで設計された冷却系なら、どこかに問題を抱えていると考えられますが、このような手作り車の場合は、設計自体が甘い可能性の方が高いですから。
パッと見ですぐに気が付くのは、フードのエア・アウトレットの面積が小さすぎるという事。ラジエータの面積の2/6くらいしかありません。
このフードの中はどうなっているかというと。
一切、穴がありません。すなわち、ラジエターを通った空気は、すべて上の写真の二つの穴から抜けるしかありません。
Mk2と同じフード形状にすれば、かなり抜けが良くなると思いますが、これはMk1を特徴づけている形状の一つだから、変えたくないし。下に抜けるようにしてみるか。
6. 油温計の動作確認
水温はオーバーヒート気味に上がるのですが、油温がほとんど上がりません。この時期で100℃を超えません。オイルクーラーが優秀なのか、それとも油温計が不良なのか、確認する必要あり。
それにしても、この油温計。どれだけ温度が上がる前提なのか。