Grooving

話はレースの前にさかのぼります。

天気予報によれば、レースの当日は雨。しかし、GT40に適合するサイズのレインタイヤは、そう簡単には手に入りません。多分、アメリカから輸入するしかないでしょう。
そこで、自分でタイヤに溝を彫ってみることにしました。いわゆるカットスリックというやつです。見よう見まねでやってみたら、出来ました。写真の右端に少し写っているのは溝を彫る前のタイヤです。
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これが、溝彫り用の専用工具。Grooverなどとも呼ばれているようです。
雨が降ることがわかったのが、金曜日の朝。溝彫りすることを決めて、ネットで溝の彫りかたを調べて、道具も検索して注文して、なんとか土曜日の昼過ぎには、届きました。
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これが、タイヤ・グルーバーの刃の部分。Uの字型に曲がった薄い鉄板(リボン鋼)に直接電流を流して発熱させ、タイヤを溶かしながら切っていきます。発砲スチロールカッターと原理は同じ。
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結構コツが必要で、最初のうちは刃がすぐにダメになって頻繁に交換していましたが、4本もやるとさすがにコツを掴んできて、最後の頃は、刃が長持ちするようになっていました。
慣れないうちは、少し難しい作業です。コツは、何度もやって身体で覚えるしかありません。

見よう見まねで作ったカットスリックで大丈夫なんだろうかと、一抹の不安がありましたが、ドライバーが言うには、全然問題がなかったということで、ホッとしました。なにしろ、ものがタイヤだけにトラブルは重大事故にもなりかねないですから。
予選を走った後のタイヤがこれですが、見た目にも問題はありませんでした。ウェットだったので、タイヤ温度も全然上がらなかったのも、良かったのでしょう。
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最近では、手彫りは珍しいようで、
「えっ? 手彫りなの? どれどれ。」
という感じで、結構多くの人がタイヤに注目してくれました。どう思ったかは知りませんが。

とりあえず、新たなスキルを習得したということで。
そのうち、凝った溝形状にもチャレンジするかもしれません。溝形状も研究してみよう。