富士スピードウェイの50周年記念イベントであるFuji Wonderland Fes!に行ってきました。
最近は、F1の関係で鈴鹿の方が有名らしいですが、私にとって日本のサーキットと言えば、やっぱり富士。
コース上から、富士山が大きく見えるのも、日本らしくて、外国受けも良いのではないでしょうか?
まずは2000GTクラブのパレード・ランのお見送り。トヨタも昔は、こんなカッコいいクルマを作れたのです。例えばレクサスLFAとか、カッコ悪いわけじゃないんだけど、何か違うと思ってしまうのは、自分の感性が時代と合っていないからなのかも。
ピットの屋上には展示車両。ここって、クルマを運び込むことが出来たのですね。
そして、これが今のルマン仕様のスポーツ・プロトタイプカー。やっぱり、カッコ良く見えないんですよね。でも、隣に立っていた若者が、
「ヤバイー。ヤバイー。」
と言っていたので、カッコ良く見えるみたいです。「カッコいい」という事を「ヤバイ」と表現することに違和感を感じるのも合わせて、自分は歳をとってしまったんだ、と再認識させられました。
妻がえらく気に入ったのは、このロータス。
いつもは60年代のアメリカ車をカッコいいと言っているのですが、これはどうやら運転できそうと思ったらしい。でも、当時ならともかく、今これを買い物に使うのどうかと思うよ。
パドックに出店しているショップなどを冷やかしていると、AKB48がステージ上で歌っていました。
生でAKB48を見たのは初めて。元気よく踊っていて、みんなが好きなのもわかる気がします。知っている曲も、何曲か聞けてラッキーでした。
実は、これに先立つこと数時間前。
今回は、招待券をいただいて入場していたので、一般客には入れないピット2階ラウンジで暖をとっていました。ガラガラで、私たち夫婦と、すぐ隣に派手な衣装を着た女の子二人がいるくらいでした。その女の子は、どっかのスポンサーのレースクイーンだろうと思っていたのですが、このステージ衣装を見て、あの女の子がAKB48だったという事を知りました。
知っていたら、一緒に写真くらい撮ってもらったのになぁ。
どっかのショップが展示していたセリカ。人が多くて、引いた写真が撮れなかったのですが。
子供の頃は憧れていましたが、この時代の日本車のデザインが、アメリカ車の劣化縮小コピーだと知ってから、あまり興味を持たなくなっていました。でも、今、こうやって改めて見ると、子供の頃の気持ちと共に、カッコいいなぁと思うようになってきました。いや、本当にカッコいい。大きさも手ごろ感があるし。
私はレースは観る方ではなくて、やる方だったので、サーキットに純粋に観客として来たことは、実はあまり多くありません。多分、富士スピードウェイは、ずーっと子供の頃に来て以来、あとは何らかの競技参加者か練習走行の立場でしか来ていませんでした。だから、今回楽しみにしていたのは、グランド・スタンド側からの眺め。今まで、パドックにしか行ったことなかったんです。パドックからグランドスタンドに行くトンネルにはエスカレータが付いている事も、今日初めて知りました。
富士スピードウェイのコースは何度か変更されています。
多分、私は30°バンクがある時代に、父親に連れられて来ています。しかし、私が実際に走ったのは、最終コーナー手前にシケインが出来てから。途中で、サントリーコーナーが出来たのも覚えています。
当時、私が一番良く走ったのは筑波サーキットでしたが、富士はスポーツ走行を枠で買うのではなく時間で買う方式だったので、気に入っていました。どういう事かというと、スポーツ走行を1時間購入すると、コースに出ている時間だけカウントされるのです。ピットに入っている時間はカウントされません。だから一周走って、ピットでゆっくり調整することができます。これがつくばサーキットだと、購入した時間枠では走っていようが止まっていようが、関係ないので、ピットで調整している時間がもったいないのです。
それから、アメリカに渡って、アメリカから帰ってきたら設備がすごく綺麗になっていて驚きました。新しくなってからはK4-GPでしか走ったことはありません。コースも、特に後半は昔の長くて緩いカーブから、中低速コーナーの連続に変わっていました。
サーキットを走る場合、縁石のゼブラゾーンのところにタイヤの淵を当てるくらいのイメージで走りますが、K4-GPの車両だと非力すぎて、特にダンロップコーナーからホームストレートまでの間は、スピードが乗らず縁石までクルマが寄ってくれません。だから、どこを走っていいのかわからず、逆にライン取りがとても難しくなります。
お昼になって、待望のグリッド・ウォーク。チケットは限定販売だったそうなので、ゆったり見られるのかなと思っていたら、大間違い。朝のラッシュ時の東京駅みたいでした。いや、それよりも密集度は高いかもしれない。そしてオッサン率が異様に高いです。
私がカッコ良いと思うのは、こういうの。Lora T70。これはフォードエンジンを載せているのもありますが、シボレーのLS系V8エンジン。通称コルベット・エンジンを載せているのがほとんどなのです。だから、コルベット・ファンはローラが大好き。
やっぱり、スポーツ・プロトタイプはこの時代が一番カッコいいなぁ。
これは比較的新しい(といっても、2002年)けれどカッコいい。Dallara。
んー、Dallaraって、フォーミュラカーなんじゃ? って思ったら、なんとこれはグラチャン・マシンでした。そっか、フォーミュラカーのフロントが伸びたので、それに合わせてグラチャン・マシンもフロントが伸びたのですね。こっちの方がカッコいいわぁ。
このマシンを見た第一印象は、マシンハヤブサでした。そんな感じしません?
グラチャン・マシンは、子供のころから好きで、これが実はフォーミュカーにカウルを被せて作っていたというのは、結構大きくなってから知りました。
90年代前半、レース屋の裏庭には走る場をなくしたグラチャン・マシンが野ざらしで放置してあって、エンジン、ミッションレスなら20万円でいいよ、なんて言われていました。今のなら、そういうので色々と遊べる術を持っていますが、あのときはまだ、自分のクルマで精いっぱいだったので、そういうところに回せる時間もお金もありませんでした。もったいなかったなぁ。
このイベントの最大の目玉がこれ。
スーパーカーブームの次はF1だったですからね。今ほど情報が簡単に手に入る時代ではなかったので、雑誌なんかで得た情報は、ほとんど暗記できていました。
このフェラーリ312T2は、タミヤが1/12プラモデルを発売していて、親におねだりして買ってもらいました。子供だったし、プラモデルの作り方の情報とかもなく、自己流だったから、ひどい出来だったと思いますが、それでも思い出として強く残っています。
フェラーリの向こうがマクラーレンM23、さらにその向こうがロータス77。もうね、当時は本当に夢中になりました。そういえば、何年か前に映画も観に行っちゃいました。
これ、ロータス77。当時はJPSロータスと呼んでました。JPSがタバコの銘柄なんていうことも知りませんでしたが。私よりちょっと上の世代になると、ロータスのイメージは緑地に黄色なのかな。でも私の世代にとってロータスと言えば、黒地に金のこのカラーリングです。同世代の人は、ヨーロッパだろうが、ケーターハムだろうが、エリーゼだろうが、このカラーリングにしていると、悩殺されちゃいますね。
エンジンは、かの有名なDFVです。この頃は、たぶんフェラーリ以外は、みんなDFVを載せていたのではないかと思います。これ、全部で何基作られたんでしょうね。手に入ったら、何かに載せてみたいですね。
「俺のクルマはF1のエンジンを載せているんだぜ。」
なんて言えますからね。
ところで、これらの写真を撮るのは、とても大変だったのですよ。押し合いへし合いで、グイグイ押されたり、怒鳴られたり。写真を撮りたい気持ちはわかるし、自分も撮っているわけだど。みんないい歳なんだから、もう少し紳士的にいきましょうよ。
もうね、写真を夢中で撮っているのは、オッサンばかり。でも、それがみんな小中学生に戻ってしまっているもんだから。でも、あの時もこんな感じで写真撮っていたなぁ、なんて思って、そういう雰囲気まで70年代になっていました。ただ、使っているカメラが「バカ〇ョンカメラ」(当時はメーカーがそういう名前をCMで連呼していた)から高級デジタル一眼レフかスマホになっているのが違っていました。
私には見慣れたTAISANポルシェ。いつもはガレージの中で見ているのですが、こうやって陽の光の下で、しかもサーキットのグリッドで大勢の人に囲まれているのを見ると、いつもより3倍はカッコ良く見えました。不思議なものですが、やっぱりレーシングカーはガレージや博物館ではなく、サーキットで見るものですね。
これこれ。
暴走族のクルマのデザインは、もとを辿ればこれなんですよね。グループ5。いわゆるシルエット・フォーミュラ。これをどんどん大げさにしていったのが、族車といわれるやつで、まあそうしたくなる気持ちはとても良く分かります。ただ、だんだんとオリジナリティーが追加されて、竹ヤリとかになると、もう本来のレーシングカーとは全然違うものになってしまうわけなのですが、出発点はここです。
このセリカのオーバフェンダーなどは、いわゆるワークス仕様と呼ばれて、上述のグループ5の時代の前はこっちが族車の主流でした。最近は車検制度も緩くなったので、うまく作れば、昔の族車も堂々と公道を走れるようになりました。良い時代です。
ああ、もちろんこれは族車じゃなくて、れっきとしたレーングカーです。
このセリカのエンジンが、オートサロンに出しても良いくらい、綺麗に作られていて。これはさすがにレーシングカーじゃなくて、見せることを意識したエンジンルームだろうと思いましたが、こういう作り込みは参考になります。
グリッドウォークが終わったら、再びグランドスタンドに行って、デモランを観戦。いつもはピット側から見ているので、客席から見るのはリラックスできて楽しいです。
今回は一眼レフを持って行かなかったので、動きのあるものを撮るのは難しいです。あと、なぜかYoutubeが、マクラーレンを一瞬「顔」と認識してボカすのが不思議。
それから、グループC。
こっちは、アドバンコーナーの立ち上がりで見学。加速するところなので、エンジンの調子が良く分かります。
今回、50周年記念ということで、昔の事を思い出させるたくさんの展示があって、懐かしかったり感心したり、楽しいイベントでした。こういうイベントは、もっとあってもいいと思います。