[Corvette] ヘッドライト・モータギア交換 その1

昨年の暮れから、運転席側のヘッドライト・ドアの駆動モータから異音がするようになりました。ヘッドライトを消してドアが閉まった後、またはエンジンを掛けた直後などに、ガガガガガッという音が出ます。これは、ヘッドライト・ドアの駆動モータのギアが破損した典型的な症状。今はまだ正常に動作しますが、この先、症状が進むと、ヘッドライト・ドアが開かなくなったり閉じなくなったりします。

最後のC5が販売されてから12年。最初のC5からだと20年が経過しているので、この故障はこれから増えてくると思います。自分で修理しようと思う人もいるでしょうから、参考になるように少し丁寧に記事にしておきます。

純正パーツでは、この部分はモータを含むアッセンブリでしか部品が出ません。そしてかなり高価。しかし、そこはコルベットですから、GM以外からもギアだけの補修部品が販売されています。
Mid America MotorworksZIP Corvette等の有名コルベットパーツ専門店でも売っていますが、Corvette Forumで紹介されていた、Rodney Dickman’sから購入してみました。
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左右セットで$91.95。送料は$22でした。片側だけでも購入可能ですが、こういうものは、やかて反対側も壊れるものですから、まだ壊れていない助手席側も、この機会に交換しておきます。
これは、ギアだけではなく、補修キットになっていて、グリースや接着剤などを含め、必要なものがすべて入っています。ですから、他に買い足すものがなく、便利です。

「まずは助手席側から作業しろ」、と説明書に書かれていたので、それに従うことにしました。何故、助手席側からかというと、場所の関係で運転席側は左手の作業になるからだそうです。なるほど。

ボディに傷をつけないように、養生をしっかりしてから、まずは、ヘッドライト・ドアカバーを外します。ドアカバーは、傷を付けたりしないよう、離れたところに、きちんと保管しておきます。
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私のコルベットは、輸出仕様が存在しないアメリカ国内専用車のC5Z06ですが、私が日本に持って来た時に、クーペモデルのイギリス仕様ヘッドライトに交換しました。ですから、日本仕様のコルベットや並行輸入のコルベットとは、ヘッドライトが違うかもしれません。
アメリカ仕様は樹脂レンズでロー/ハイのバルブが別れているのですが、イギリス仕様はガラスレンズでH4バルブを使用します。なぜそういう仕様なのかは、わかりませんが、アメリカではヨーロッバ仕様のガラスレンズの方が明るいということで、ドイツ仕様に変更するのは定番の改造でした。同じヨーロッパ仕様でも、ドイツ仕様は右側通行、イギリス仕様は左側通行用というわけで、私のはイギリス仕様なのです。

説明書には、ヘッドライトユニットを丸ごと外すように書かれていましたが、観察した結果、ユニットを外さなくてもモータだけ外せそうだったのでチャレンジしてみました。
取り外すモータはこれ。
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手探りでの作業になりますが、モータを固定しているボルト&ナット3つと、駆動軸のナット1つ、外すことは出来ました。
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しかし、結構大変だったので、運転席側は素直にヘッドライト・ユニットを丸ごと外しました。
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外したヘッドライト・ユニット。ここから、モータを外すのは簡単なので、この方が作業量は多くても、楽だと思います。
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一連の作業の中で、一番難しいのはココ。接着されているギア・ハウジングの蓋を外すところです。接着なので、薄いマイナスドライバーで少しずつコジって開けていきます。バキッ! バキッ!とプラスチックが割れるような音がして接着が剥がれるのでビビりますが、慎重に作業を進めるしか方法はありません。
ちなみに、1999年式までは、この蓋が金属製で、開くのはさらに難しいらしいです。
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御開帳。
これは助手席側。運転席側も同じ構造、同じ部品ですが、ギアシャフトの向きが違うので、間違えないようにしましょう。
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これは、不具合のあった運転席側のギア。歯が一か所、完全に欠損していて、その手前の歯も削れていました。黒い粉は、ここで空回りした時に焦げたのでしょうか?
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新しいギアに入れ替えたところ。グリスはキットに同梱されています。
新しいギアは、真鍮製。これなら欠けることはないでしょう。ここのギアはC4時代も、同様なトラブルを抱えていて、やはり真鍮製の交換部品が出回っていました。
ここが定番の故障個所であるにもかかわらず、純正品が樹脂製なのは、安全のためではないかと思います。公式な説明はありませんが、ヘッドライトドアが閉まる時に、手や指を挟んでも、ギアが欠けることで、大けがにならないようにしているのでしょう。
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キットには、再び蓋を接着するための接着剤も入っているので、それを使って蓋を接着します。
運転席側と助手席側では、シャフトの出る向きが違うので、接着前に何度も確認します。それと、このキットには、バックラッシュを減らすたるの、樹脂ワッシャも入っているので、それも向きに気を付けて取り付けます。
箱の上に乗っているのが助手席側、もう一方が運転席側です。シャフトの出ている向きが違います。
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接着剤は、20分ほどで作業を進められる程度の強度が出るということですが、完全硬化は24時間だそうなので、本日はここまでとして、続きは明日にします。
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