ISCバルブの接着具合に問題がないことを確認して、ISC周りを元通りに組み付けました。
次に冷却水を充填。LLCは緑色。濃度は約30%。約7L入りました。軽自動車のエンジンにしては、量が多いですが、エンジンが後ろ、ラジエターが前なので、その経路の分が結構多いのだと思います。
そして、エンジンを始動してアイドリングの調整。ISCを殺したので、スロットルのストッパ・スクリューで調整。水温が上がるにつれて、徐々に回転数が上昇していきます。水温補正の燃調は、もっと後でちゃんとやります。今はとにかくアイドリングを出すこと。
調整したら、こんな感じになりました。ラムダセンサも正常に動作するようになりました。
ラムダの値(画面の右下のグラフ)は、1.0で理論空燃比の14.7になります。1より大きいとリーン、1より小さいとリッチです。今は、ちょっとリッチの0.9くらいを目安にしておきます。0.9の空燃比は13.2です。
インジェクタの噴射量を変更して、ラムダの値が変化することを確認しました。この動画では、最初に全体の補正+10%を0%に設定。ラムダが少し大きくなる、すなわちリーン方向に動きます。そのあと、インジェクタのマップ全体を1.1倍して、最初の状態に戻しています。すると、リッチ方向に動いて、元の空燃比に戻りました。
少しブリッピングしてみます。ちょっと引っかかる感じがします。スロットルを開けた瞬間にリーンになっています。しかし、一定回転にするとリッチ方向で落ち着きます。まだ、加速制御の設定を何もしていないので、当然の結果です。回転を上げると、リッチ方向にずれますが、とりあえず今はOK。
燃調は、今の段階では何も問題ありません。後でちゃんと調整すれば良いです。
しかし、冷却系に問題ありです。サーモスタットが開きません。長い間、水が抜かれた状態で保管されていたので、固着しているのかもしれません。サーモスタットの交換は難しい作業ではないのですが、冷却水を抜かなければならないのが面倒です。
このクルマ、いちいち問題が発覚します。ブレーキは固着していたし、燃料系はポンプが壊れていたし、今度は冷却系でサーモスタット不良です。レーシングカーをいじっているというよりも旧車のレストアをしている気分です。
それから、もう一つ。ST8130のタコメータが反応しません。MOTECのAUX4にタコメータ用信号を出力しているのですが、ST8130のエンジン・スピード用の端子を接続しても無反応です。MOTECの設定が悪いのか、それともST8130が不良なのか。次回、オシロでMOTECのAUX出力を見てみます。
サーモスタットの不良を除けば、エンジンは大丈夫そうなので、次はしばらく放置していたブレーキ作業をしました。この前まで、550の方でブレーキの修理が大変だったので、カドウェルのブレーキは、やる気が起きなくて、後回しにしていたのでした。
まずは、製作してもらった新品のホースの取り付け。そして、やっぱり問題発生。
フロント側。バンジョーボルトが錆びだらけになっていので、EARL’Sの新品を用意して、長さも確認済みだったのですが、いざ付けてみると、バンジョーボルトが底付きします。問題は、バンジョーボルトにインバーテッド・フレア(IF)の逃げがないこと。
マスターシリンダー側のメスねじは、こうなっています。中にインバーテッド・フレアの突起が見えます。
そもそも、AN3規格のあるインチサイズと違って、メートル規格のブレーキのメスは、ほぼIFです。そこにバンジョーボルトを入れるのですから、IFの逃げは必要。
しかし、EARL’sのバンジョーボルトに、逃げはありませんでした。
仕方がないので、自分で加工して逃げを作りました。
これで取り付けできました。
それにしても、このクルマのブレーキの継手には何度泣かされたことか。日米規格混合で作られているのが最大の原因です。
今日はここまでにして、気分良く終わりにします。今日フルードを入れるところまでやって、またエアが抜けなかったりしたら、心が折れちゃいそうですから。
あー、それにしても、サーモスタットは面倒だなぁ。冷却水に浸かっていたら自然治癒しないものだろうか。