550 Spyderをレストアしたり、Cadwellの電気・制御系を作り直していたりするうちに、もっと根本的なところからクルマを作りたいという欲求が沸いてきました。かといって、まったくのゼロから図面を引いてシャシーやボディを作るのはハードルが高すぎるし、趣味で作られたそういうクルマは、大抵の場合、あまりカッコ良くない。
その辺の、ちょうど良いバランスのところが、キットカーかな、と思います。
550 Spyderのエンジンをいじってわかったことは、VWの空冷4気筒エンジンは、趣味でいじるには最高のエンジンだということ。エンジン自体には設計に変なところはあるし、現代のエンジンよりも面倒な構造になっているところもありますが、アフターマーケットのパーツが多いし、いじり方も研究されつくしています。それにもかかわらず、そこに独自のアイディアを付け加える余地もあります。
それから空冷という点もポイントが高い。エンジンをいじるときに、冷却水はやっかいです。部品を外した時に出てきた冷却水に、オイルが混じってグャグチャのドロドロになっていろんな物を汚すのです。冷却水がないということが、こんなに楽だという事は、空冷エンジンをいじって初めて知りました。
そこで、この空冷エンジンを使った、カッコ良くて楽しそうでFRPボディのキットカーはないものだろうかと、ネットの海を彷徨って見つけたのがこれ。
MEYERS MANXのバギーのキット。その中でも、私の琴線に触れたのが、写真のKick-Out SSというモデル。ホイール・ストロークがそんなに長くないので、本格的にオフロードを走ろうというモデルはありません。2シーターでショート・ホイールベース。街乗りが楽しそうな感じです。ボディのキットが$8,000くらい。
元々はVWビートルのシャシーを改造して、このボディを乗っけて完成なのですが、これ専用のシャシーを作って売っている人もいて。
今どきは、古いビートルもレストアベースとしてそれなりの価値があって高そうなので、こういうのを買っちゃうほうが、錆び落としや溶接の手間も省けそう。値段は$1,500~らしいので、オプションを色々と加えても$2,000くらいか。
フロアパネル無しで購入して、CFRPのフロアパネルにして剛性を稼ぐとかも出来そう。
あとは、エンジンが$2,000、トランスミッションが$2,000。アクスル、サスペンション、ブレーキ、ホイール、タイヤに$6,000。インテリア、操作系、電気系で$5,000。
ざっと計算して$25,000。約250万円くらいかなぁ。
素組みだと面白くないので、私の好みで、
・フロントスクリーンは無しにするか、1/3くらいにする
・ロールバーは無し
・バランスを欠くくらいの大きなリアタイヤを入れて、かつ出来るだけ車高を下げる
・シート高も出来る限り下げる
・イメージとして1/1のチョロQ
ていう感じで組んでみたいです。
製作自体は難しくなさそうですが、難関は登録だな。