[Cadwell] クラッチ&燃料系

クランクプーリーのインデックス加工をしてもらっている間、エンジン以外の作業を進めます。

まずクラッチ。先週、スレーブシリンダーを取り付けたので、今日は油圧ラインを繋げます。クラッチは、マスターシリンダーからスレーブシリンダーまで全てメタルラインなので、そのまま使いますが、念のため洗浄しておきます。
すると、メタルラインの中からゲル化したフルードと、黒いカスが大量に出てきました。古いクルマでよく見られるブレーキフルードの中にある黒いゴミですが、あれはどこから出てくるんですかね?やっぱり、ピストンシールなのでしょうか。だとすると、黒いゴミが出てくるようになった時点で、オーバホールすべきなのでしょうね。
160820-01

そして、油圧ラインを繋げたあと、エア抜きをしようとしたら、スレーブシリンダー側の継手からフルートがドバドバ漏れるんですよ。ゴミでも噛んだのかと思って、スレーブシリンダーの継手部の中を覗き込んだら。
なんと、スレーブシリンダーの接続口がAN継手用でした。クラッチラインは、メタルラインなので継手はコンベックスタイプなのです。
取り付け前に確認しなかった私も悪いですが、型番がまったく同じなのも悪い。調べたらコンベックスタイプのスレーブシリンダーって、もう売っていないみたいです。いつの頃か、ANタイプにモデルチェンジしたのでしょう。
そういえば、先日、知り合いのレース屋に
「メタルラインって作れる?」
って聞いたら、
「今どきのレーシングカーは全部ステンメッシュホースで作るから、メタルラインは使わないなぁ。」
と言われたのを思い出しました。その時は、「ふーん」と思っただけでしたが、部品側もメタルラインに対応しなくなっているのですね。マスターシリンダー側もメタルライン用はラインナップなかったし。
というわけで、クラッチラインはアダプターを注文する必要があるので、後回しになりました。
160820-02

ということで、次は燃料系の作業を進めます。
まずは燃料タンクの確認。そのまま使えるかどうか、チェックします。見た目が汚いので、昔のままかもしれず、場合によっては燃料タンクの交換が必要かもしれません。
160820-03

中を確認するにあたって、友人からスコープカメラを借りました。
フレキシブルホースの先端にLEDライトとCCDカメラが付いていて、パソコンの画面に映し出されるものです。こういうものは、昔は光ファイバーを使っていたので、とても高価でしたが、CCDカメラが小型化されたおかげで、簡易な構造で作られるようになって、素人でも購入しやすい価格になりました。安物なので手元のレバーで先端を自由に曲げられるといった機能が付いていませんが、それでも狭いところを見るのにはかなり重宝します。
160820-09

そして、これをタンクの中に突っ込んでみたら、このタンクは、どうやら新品または洗浄済み。
レーシングカーの安全タンクには、ガソリンがチャプチャプするのを防ぐためフォーム材が入っています。古くなると、これがボロボロになって交換しなければならなくなるのですが、このタンクの中身は新品のフォーム材が入っていました。ガソリンを入れた形跡もまったくなし。
タンクはこのまま使用OKです。
160820-06

次はコレクタータンク。
リターン用のホースを外して、スコープを突っ込んでみました。
160820-07
こちらは、ガソリンを入れた形跡はありますが、特に汚れていません。このまま使用可能です。

このエンジンにはリターンはないので、リターン用のホースはそのまま外して、プラグをしました。
このコレクタータンクは、燃料制限が課せられるK4-GPには大きすぎますが、とりあえずはこのまま。
160820-08

タンクはメイン、コレクタータンク共に問題ありませんでしたが、ラインにフィルターが入っていません。インジェクションの場合、キャブレターよりも穴が小さいので、燃料フィルター無しは考えられません。一般的には、2段階入れます。

まずタンクの出口、燃料ポンプの前に、80μmのインライン・フィルターを追加。
160820-04

それから、燃料ポンプの後、インジェクターの手前にインジェクション車の定番、BOSCHの燃料フィルターを設置。位置決めのために、とりあえずタイラップで固定していますが、そのうち、ブラケットを作ります。
160820-05
これで、燃料系はひとまずOK。

あと、養生テープで仮留めしていたMOTECの本体を、ちゃんと固定しました。ちゃんと、と言っても、もともとベルクロ固定のようなので、ベルクロを車体に貼っただけですが。
160820-10

今日はここまで。