MOTECの点火時期の仕組み

Youtubeにあるチュートリアルを見たり、実際にオシロスコープで信号を確認しながら、いろいろと設定をいじって、やっと方式を理解しました。
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もっとも基本的な方式はこうなっています。
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これは、クランク1回転の信号に1個所だけ歯抜けが設定してあるタイプの場合。
Sync信号を得てから、Ref信号の歯抜けの次の歯をIndex Toothと認識します。そして、このIndex ToothからTDCまでの角度がCRIP(Crank Index Position)となります。Sync信号の前のRefの歯抜けは無視します。こうすることで、エンジンが1周期(すなわちクランクが720°回る)のなかで、1番のTDCを規定します。
上記は、Ref信号の2個歯抜けがクランク1回転に1回のものですが、MOTECのRef/Syncモード設定では、1個歯抜けとか、逆に歯の追加とか、クランク1回転に2回とか4回とかが選べるようになっています。

これをふまえて、K6Aエンジンのタイミングチャートを見てみます。
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#1: 1番点火信号、#2:Sync(カム角信号)、#3:Ref(クランク角信号)、#4:カム1回転、#5:クランク2回転
クランク2回転のあいだに、2個歯抜けが4回あります。これはMOTECのRef/Sync modeの9: Two Missing 4 times / Cycleというので設定できます。
K6Aエンジンの場合の問題は、Sync信号が各気筒毎に出ていて、しかも1番を区別するために、歯が追加されていることです。前述したようにMOTECではSync信号は1番でのみ出るようになっているので、K6Aの方式だとエンジン1周期の間に1番が複数回あるように見えてしまっています。
これを防ぐために、Sync信号をこうしなければなりません。
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Syncの1番用の歯を残して、残りは削除します。こうすることで、Index Toothがクランク2回転で1個所だけになり、正しく1番のTDCを設定できます。

どうやって、余分な歯を削除するかですが、次の3つのオプションが考えられます。

1. ソフトウェアでマスクする
これは、MOTECのサポートに聞いてみないとわかりません。少なくとも、ヘルプファイルを見る限りでは、そういう機能はないみたいです。

2. 電気的に除去する
カム角信号の出力とMOTECの間に、何らかのデバイスを追加して、電気的に信号を除去する方法です。マイコンを使えば、自作出来ると思います。しかし、自動車のエンジン制御系に組み込むとなると、耐温度性能や耐振動性能など、とても高い信頼性が求められるので、普通の部品や工作精度では不十分です。実際の製作は少し難しいです。

3. 物理的に除去する
結局は、これが一番確実ですが、まずは可能かどうか調べてみることにしました。
まずはカムカバーを外します。
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カム角センサのインデックスプレート(左側)
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ふーむ。
板金製のプレートでも付いていれば簡単だったのですが、カムチェーンのスプロケットに突起が作られていました。アルミだったら車載のままグラインダで削り飛ばすことも出来なくはないですが。磁石がくっつくので、鋼です。しかも、チェーンの歯が付いているので、もしかしたら焼き入れしてあるかもしれません。車載状態でグラインダで削り飛ばすというのは、少しハードルが高いです。

まずはMOTECの回答待ち。削り飛ばすなら、グラインダでちょっとチャレンジしてみて、ダメだったら、カムを外して機械加工することにします。このエンジンはカムを外すのが結構面倒そうなのです。

それとは別に、今日気が付いたこと。
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エンジンオイルが漏れている・・・
引き取ってきたときはエンジン・オイルが入っていなかったので、セルモータを回すにあたって2週間ほど前にオイルを入れたのですが、無視できない量が漏れていました。ベルハウジングから滴下しているので、クランクシャフトのシールの可能性が高い。それって、エンジンを降ろす必要性が・・・