このエンジンには、充電制御付のオルターネータが使われています。これまでの私の知識にはないものです。どうすれば良いのか、調べてみました。
まず回路図。
C10-1とC09-2, C09-4は従来のオルターネータと同じ。問題はC09-1とC09-3。これが充電制御用の信号みたいです。
充電系の解説を読むと、どうやらC端子の制御信号に基づいて、界磁コイルが励磁されるらしい。その結果がFR端子から出力されているとのこと。
この解説の端子番号と上の回路図の端子番号が合っていなくて、ドキュメントの作り方がヘボい。
整備解説書は整備の方法は教えてくれるけど、どういう信号が流れているかの説明はありません。普通に整備するだけなら、必要ない情報ですから。
しかしこれでは、どういう制御信号を入れれば良いのかわからないので、故障診断の方法から推測します。
IGN-ONでBLU/WHTにECM側から12Vということなので、これがC端子の制御信号ですね。回路図のC09-3です。たぶんPWMでしょう。そして、BLU/YELがFR端子で界磁コイルのON/OFFが出力されると。
簡単にやるなら、C端子にDC12Vを流せば、普通のオルターネータのように動作すると思います。ただ、それでは面白くないので、MotecのAUXで制御できないか調べてみました。するとAUX Functionの#134に”Alternator Voltage Control”というのを見つけました。これを使えば、制御できそうです。あまり細かくやっても意味ないので、スロットル・ポジションがWOT(Wide Open Throttle: 日本語で言うところの「フルスロットル」)のときに、電圧0Vに設定すると、少しは加速が良くなるかも。
でも、FSWだとほとんどの時間はWOTだから充電不足になるか。
それにしても、Motecって大抵の制御はすでに想定されているんですね。