この赤いラインは、フューエル・パイプとフューエル・レール。
最近のリターンのないタイプでプレッシャー・レギュレータがありません。
フューエル・ポンプの出口側にそれらしき物が付いています。整備書でも、これをレギュレータと書いているのでそう思っている人が多いですが、正確には、これは、プレッシャー・レギュレータではなく、パルス・ダンパーです。自動車用語は、時々、工学の正しい用語とは異なるのですが、おそらく、機械工学などを勉強していない人でもわかり易くするために、わざとそうしているのかと思います。
以前のリターンのあるタイプは、フューエル・レールの終端にプレッシャー・レギュレータが付いていて、吸気管圧力に対して燃圧が一定になるように制御していました。したがって、インジェクタの吐出量はPWMのデューティー比だけで決まったのですが。
今どきのリターンのないタイプは、吸気管圧力に対して燃圧を一定に制御していません。どうせ吸気管圧力はECUが見ているので、予めECUの中で吸気管圧力の差を考慮して、インジェクターのデューティー比を決めているのです。
これは、市販車なら問題ないですが、MOTECなどの汎用ECUで制御しようとしたときに、燃料マップの数字と、フューエルの吐出量が1:1の関係ではなくなるので、少し面倒になります。一般的には、その面倒を避けるため、フューエル・レールにレギュレータを追加して、リターンも作って、昔のインジェクション・システムの形式にするのですが、今回はあえてリターンなしの方式にチャレンジしてみようと思います。