ちょっと面白い写真を見つけたので、勝手に引用。
元ネタは、Corvette Online。
左が6.2LのシボレーでOHV。右が5LのフォードでDOHC。
OHVのシボレーエンジンの方が小さいのは一目瞭然。
私は「DOHC=高性能エンジン」というのは、自動車会社の販売におけるイメージ戦略だと思います。「DOHCは複雑で高性能だから値段が高くなるんです」、という印象操作でクルマの価格を釣り上げるためのものであろうと。
OHVは回らない、DOHCは高回転まで回るというのが自動車知識の常識のようになっていますが、現実には7000や8000rpmまで回るOHVエンジンはあるし、6000rpmしか回らないDOHCもあります。
部品点数が少なくて価格が安く作れるOHVは実用車に搭載される場合が多く、使いやすい低回転よりのカムが選択されます。一方で、高価格でも売れるスポーツカーは、その印象操作によってDOHCが搭載され、高回転型のカムが選択されています。その結果、OHVとDOHCの常識が出来たのだと考えます。エンジンの回転数はカムによって決まるのであって、OHVかDOHCか、ということはエンジンキャラクタを決める上での本質ではないと言えます。
さて、ここで話はコルベットに移りますが。
私のコルベットは、フロントフードが異様に低いです。フロントにエンジンが入っていないフェラーリよりも低いです。実は、歴代コルベットの中でも、最も低いのがこのC5世代のコルベットなのですが。この下に5.7Lのエンジンが収まっていることに、多くの人が驚きますが、これこそがOHVの最大の特徴です。
余談になりますが、このエンジン。外形寸法を変えずに排気量を7Lまで拡大できます。
OHVをエンジン単体ではなくて、スポーツカーのパッケージングとして見た場合、小さい、軽い、低いというのは、とても大きなアドバンテージになります。多くのスポーツカーが販売戦略としてDOHC化するなか、コルベットが頑なにOHVで貫き通した理由がここにあります。(実は、C4時代にLT-5というDOHCエンジンを積んだコルベットがあるのですが、面白いことに販売的には失敗して1代限りで消えています。)
というわけで、OHVという形式は、実は本質的にはスポーツカーに適したエンジンなのです。
コルベットのレーシングカーもOHVですが、性能的にフェラーリ、ポルシェ、アストンマーチンに一歩も引けをとらないばかりか、常勝組みです。
ちなみに、うちにある4台のクルマのうち、2台がOHV、2台がDOHCですが、最高回転数が一番低いのはスバルのDOHCです。まあ、これはスポーツカーではないので、当然ですけど。
先の自動車知識の常識にあてはめると、1.6LのDOHCなんて一番回るのが得意っていうことになるのですがね。