エンジンを降ろしてみました。これで4回目かな。手順は慣れましたが、面倒なことには変わりありません。
オイル漏れの原因はあっさり判明。クランクシャフト・オイルシールがパックリと裂けていました。
なぜ、こんなことに・・・
原因として考えられるのは、このオイルシールを付けた初期の頃、ハイプレッシャー仕様のリリーフ・スプリングにしていて、油圧が高かったこと。その頃からオイル漏れが始まったので、油圧が高くて裂けたのかもしれません。オイル漏れするので、標準仕様のリリーフ・スプリングに戻しましたが、その時にはすでに裂けけていたのでしょう。それから今日まで、このように裂け目が広がってきたのだと思います。
これを外しているときに、ちょうど宅配便で新しいオイルシールが届いたので、即交換。まるで大手自動車会社のJust in Time方式のようです。
新しいオイルシールも、前と同メーカのもの。部品の品質に問題があるのだとしたら、これも再び裂けるかもしれません。その時は、メーカを変えてみます。
それにしても、これ、設計が悪いです。昔の設計なので仕方ないとは思いますが。
クランク・シャフトのメイン・ベアリングの直後にあって、しかも実際にはクランクシャフトをシールするのではなく、フライホイールをシールしているのです。クランク・シャフトとフライホイールを固定するボルトがセンターに一個だとか、このオイルシールの構造だとか、まだ、エンジン設計が試行錯誤の時代だった事を伺わせます。それでも、このように、今でも複数のメーカから部品が販売されていて、しかも宅配便で翌日到着するのですから、このエンジンは偉大です。
いろいろとクセのある設計だと思いますが、趣味でいじるには部品の入手性が良いことが一番大事です。
私見になりますが、シボレーのスモール・ブロックV8と、VWの空冷4気筒は、世界でもっとも趣味に適したエンジンだと思います。どちらも、新品部品の入手は完全に可能だし、いじり方の研究もされ尽くしていて情報の入手も容易。
世界でもっとも自動車の販売台数が多いのはトヨタかもしれませんが、トヨタにはそういうエンジンはありません。
ところで、残念ながらこのエンジン個体の場合、どんなにがんばっても、クランクシャフトからのオイル漏れを完全に駆逐することはできないと思います。
それは設計の問題ではありません。理由はここ。フライホイールとの結合部、Oリングの相手面であるクランクシャフトに虫食いがあります。
(こういうのを「虫食い」と言いますが、腐食によって凹んだのであって、本当に虫が食ったのではありません。)
次に、クランクケースを開ける時が来たら、クランクシャフトも新品に交換しようと思います。
オイルシールを交換して、それからネジロックを使ったところのタップをさらったり、といった付帯作業を行います。目的の作業よりも、こういう作業の方が、実は時間がかかるのです。
そして、エンジンを再搭載。
さすがに、エンジン降ろしと搭載を1日でやるのは疲れました。エンジン降ろし~オイルシール交換~エンジン搭載で、上記のような付帯作業も含めて所要時間は正味4時間といったところでしょうか。それなりに力もいるし、一気にやったのでクタクタです。補機の搭載は明日にしよう。