クランクケース交換 29

気を取り直して、再度、エンジンを降ろしました。
完全な状態から始めて、ここまでに2時間。二度目になると、効率の良い手順が大体出来てくるので、始めて降ろした時と比べると大幅時間短縮です。この2時間の中には、エンジンクレーンを組み立てたり、クルマを外に出してジャッキアップするなどの準備時間も含んでいます。
150501-01

 

異音の原因は、すぐに判りました。
ギアボックスのベルハウジングに、削れた跡があります。フライホイールが当たっていたようです。
150501-02

 

問題はなぜこんなところが当たるのか? ですが、フライホイールを触ったらすぐにわかりました。ガタガタです。
クラッチカバーを外してみると、グランドナットが完全に緩んでいました。これが異音の根本原因です。
150501-03
グランドナットは、340Nmという大きな締め付けトルクが指定されていて、ネジロックも塗布して確かにトルクレンチで締めたのですが・・・
考えられるのは、写真にも写っているフライホイールのロック工具。これを固定している状態でグランドナットを締めたので、きちんと座が当たっていなかったのかもしれません。
ともあれ、クランクケースを再び割る必要はないでしょう。良かった。

ついでなので、気になっていたクランクシャフトのメインシールは交換することにします。これ、ちょっとななめに入ってしまったのですが問題ないだろうと判断していました。しかし、このオイルシールは、フライホイールとのあいだのリップシールも兼ねていることが判明し、ななめになっていると、フライホイールとの密着が十分ではないかもしれない、という心配がありました。
フライホイールを外してみると、この部分からのオイル漏れはありませんでしたが、安いパーツなので交換しておくことにします。
150501-04

 

異音についてはこれで解決するとして、油圧が不安定な件はまだ原因不明です。
すだにオイル・プレッシャー・リリーフ・バルブはチェックしたので、車載状態では取り外しが難しかったオイル・プレッシャー・コントロール・バルブを外してみました。
150501-05
ピストンは自重で落ちてこなくて、マグネットを突っ込んで引っぱってやる必要がありました。ピストンを観察すると、特にバリが出ているわけではなさそうですが、エッジがシャーブすぎる気がします。なにしろ、相手はアルミなので、少しかじりやすかったのかもしれませんがハッキリしません。
プレッシャー・リリーフ・バルブも、このプレッシャー・コントロールバルブも、念のためハイプレッシャータイプのものに交換するつもりです。

 

一応、オイルポンプもバラしてみましたが、まっくた問題ないと思います。
150501-06

これもついでに、ハイボリュームタイプに交換しようと思いましたが、調べてみると、すでにこれはハイボリュームタイプでした。SHADEKというメーカの10.010というタイプです。なので、これはそのまま。
150501-07

 

他には思いつくところがないので、一応、これで終了。油圧不安定の原因は、プレッシャー・コントロール・バルブの固着である可能性が高いです。
新しいコントロールバルブと、クランクシャフトのオイルシールは、日本のショップに注文したので、届きしだい組んでみます。GW中には、多分解決でしょう。でもダムサンデーには間に合いません。