やった。ついに原因を見つけました。
寝ているときに、突如として閃いたのです。そして、夜中にベッドが出てガレージに行き調べてみたらビンゴッ!
久しぶりに「閃いたっ!」って感じです。
エアを吸っていたのは、クランクケースのポンプ・ボアとポンプボディの間。
この写真は、クランクケースからポンプボディを引き抜いたところです。ポンプボディの穴がポンプのインレット穴。
ポンプボディをクランクケースに押し込むと、このインレット穴がクランクケースのオイルギャラリーと一致して、そこからオイルを吸い込みます。
これがクランクケース側のオイルギャラリー。
ここは勘合になっていて、両者の間にシール材などはありません。どちらかの(あるいは両方の)寸法が狂っていると、両者の間に隙間が生じていて、そこからエアを吸い込んでいるのです。前回の調査で、これに気が付かなかったのはクランクケース単体で調べていたためでした。ピックアップチューブに問題があると思っていたので、オイルポンプを引き抜いて、クランクケースの穴を塞いで気密性を確認したのです。今回、ポンプ・ボディを入れてポンプ・ボディの内側から穴を塞いでピックアップチューブに圧縮空気を入れてみたところ、見事にツーツーでした。
最初は、ボア径とポンプボディの外径差が大きすぎるのかと思いましたが、寸法を計ってみると、原因がよりはっきりしてきました。
ポンプボディの高さが21.88mm(下側の絵の丸印のところ)に対して、クランクケースのオイルギャラリーの穴のエッジ部の位置が21.58mm(上側の絵の丸印)。その差は0.3mmしかありません。さらに、ポンプボディのエッジは面取りしているので、穴が完全にふさがれていないのは明白です。
原因はコレです。ついに、突き止めました。
このポンプはSCHADEK社の10.010という型番のものです。
日本のFLAT-4でSCHADEKのオイルポンプをカタログに載せていたので型番を問い合わせてみたところ、カタログのEG-190がSCHADEKの10.045だということでした。さらに寸法も測ってくれて、ボディ高さは25.03mmだということもわかりました。やはり古いエンジンから流用して使おうとしている10.010はボディ高さが低すぎるのです。
10.045のボディ高さ25mmあれば、クランクケース側のボアの奥行きと同じなので、これが本来使用すべきポンプだと思われます。
この他にFLAT-4の担当者から紹介されたのが、Gene BergのOリング付きのタイプ。GB233Aとか、GB234A。これらは、クランクケースとポンプボディの間からエアを吸ってしまう場合に使うものです。寸法が不明なのですが、これだとOリングがギリギリでクランクケース側のオイルギャラリーにかかってしまう可能性があります。
なので、とりあえずSCHADEKの10.045を試してみることにしました。フルフロー加工を対応してくれるか、FLAT-4に問い合わせ中。
VWエンジンは、パーツの種類がたくさんあって、本当に面白いですね。趣味でいじるエンジンとしてパーツの入手性の良さ、情報の豊富さは、シボレーのスモールブロックとVWの空冷が双璧というところだと思います。ただし、シボレーは今でも改良を重ねつつ現役で最新型にも載っていますが、VWの方はとっくの昔に生産が終了しているところが違います。