クランクケース交換 27 試走

最後の作業。
エンジンマウント・フレームの取り付け。楽勝だと思っていたこの作業が、予想外に難航しました。
新しいクランクケースは、純正品ではなくアメリカの専門ショップが製作したオリジナル品なのですが、微妙に各部の寸法が異なります。おそらく、本来のVWの車体に載せる場合は問題にならない箇所なのだと思いますが、550 Spyderの場合、その問題なならない箇所が問題になったりするわけです。

エンジンのクランクプリー側のマウントには、色々と泣かされます。最初にケチが付いたのは、交換用にと用意してあったケースに、そもそもこのマウントのタップが存在していなくて、新たにクランクケースを買わなければならなくなったことでした。今回は、そのマウント形状が、純正品とは微妙に異なっていたために、クロスフレームの取り付けにとても苦労しました。

クロスフレームがどうしても取り付けできません。車体の下側から無理な姿勢で作業しているので、気がつくまでにとても時間がかかってしまったのですが、写真の赤丸の部分に、クランクケースが干渉していました。これに気がつくまで、1時間以上はクロスフレームと格闘したでしょうか。
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エンジン側の形状が異なっているので、本来ならエンジン側を加工すべきですが、面倒なのでクロスフレームの干渉部分をサンダーで削り飛ばしました。
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さあ、これで付くだろうと思ったら、今度はボルトが底付きしてしまい、締まりません。ボルトは前のクランクケースに使われていたものですが、タップの深さが違うようです。手持ちにちょうど良い長さのボルトがなかったので、結局ボルトは底付きしたまま、すなわち、きちんとマウントに固定されないまま、とりあえず試走に出ることにしました。
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近所のガソリンスタンドまで、往復1kmを走ってみました。その結果、燃料計はガソリンを入れたら、正しく表示しました。

しかし、

  1. 減速時に、ガガガガッと何かが緩んでぶつかっている音がする。
  2. 時々、油圧警告灯が点灯する。

という問題点が発覚し、ふただひガレージでジャッキアップされた状態になっています。
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問題の1番はたぶん、エンジンマウントをきちんと固定していないため、減速時にエンジンが動いて何かと当たっているのだと思います。エンジンは、トランスミッション側のマウントだけで固定されている状態なのです。
そこで、ちゃんとエンジンを固定するため、ボルトをサンダーで切断して短くしました。このレストア作業全般において、一番活躍したのがサンダーだと思います。あちこち削ったり切断したり、とにかく加工しないと色々なものが付きません。
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そしてまた、エンジンの寸法も本当に微妙に異なっているらしく、穴があとちょっとのところで合わなかったりして、せっかく締めた箇所をもう一度緩めて、少しずつ部品をずらしたり、渾身の力でガコガコやって合わせたり、やっぱり2時間くらい格闘して、やっとの思いでクロスフレームにエンジンを固定しました。これで、問題の1番はきっと解決だと思います。

 

やっかいなのは問題の2番。通常、油圧が低いのはクランクシャフトやコンロッドのベアリングのクリアランスが広くなりすぎているか、油圧が下がるほど大量にオイルが漏れているか、なのですが、クリアランスは組み立て時にきちんと確認しましたし、大量のオイル漏れはありません。となると、プレッシャースイッチの不良という線も考えられます。
警告灯では何が起きているのかわからないので、油圧計を取り付けてみることにしました。
こういう時に便利なのがAmazonです。最近のAmazonは何でも売っているので、台湾製の電子式油圧計を注文しました。明日の昼までに届けば、午後には油圧計を付けて再度試走できます。
そこで、本当に油圧が下がっていたら、考えられるのはプレッシャー・リリーフバルブの動作不良の可能性が高いです。

 

というわけで、試走で問題なければ明日の波志江は550 Spyderで行くつもりでしたが、こういう状態なので、Z06かZ4で行きます。どっちもZなんです。