この記事も20回目になりました。作業した日は必ずBlogにアップしているので、今日が通算20日目の作業ということになります。平均して1日あたり4時間作業しているとすると、合計で80時間も作業していたことになります。長いな。
今日は、ロングブロックの完成まで進めました。
プッシュロッド・チューブはレース用のアジャスタブル・タイプが付いていたので再利用しますが、このエンジンが組まれたときにチューブシールにRTVを充填されてしまっていたので、その除去と清掃をします。
写真手前が清掃前、写真奥が清掃後にシリコンタイプのチューブシールを取り付けたものです。
たとえば、こんな作業でも1本につき5~10分はかかるわけで、これが全部で16本あるので、この清掃作業だけで2時間くらいは使ってしまうわけです。エンジンのO/H作業は組み立てそのものよりも、このような清掃・洗浄・準備作業の方に時間を使います。
そして、いよいよピストンとシリンダーをインストールします。
このエンジンは重要なところにガスケットを使いません。すべて液体ガスケットで組んできます。赤いのが液体ガスケットです。
リストピンは使わずに、テフロンのボタンタイプにしました。なんか、リストピンは折れそうだったので。
1番ピストンが入りました。
2番も入れて、ヘッド取り付け、ロッカーアームの取り付けまで進んだところ。
続けて3番、4番も同様の作業を行います。
リストピンの代わりのテフロンボタンは、こんな感じにインストールされます。これなら、外れることはないです。
このまま、タペット調整をします。
タペット調整ねじには一切手を触れていませんが、ギャプはかなり広がっていました。デッキハイトが以前のケースとは異なるようです。これだと圧縮比が下がったと思われます。
バルブクリアランスはIN/EXともに0.15mmにセットしました。
テスビのドライブギアを入れたときに、点火時期があやふやだったので、ここで再度確認しておきます。
1番がTDCの位置にあるとき、デスビ・ドライブギアのスリットは、この向きになってます。
この位置に噛み合うようにデスビを入れると、何故か4番の点火の位置にデスビロータが来ました。やはり何か変です。このデスビの点火時期検出はポイント式からマグネット・ピックアップに改造されているので、その改造過程で、組み立て要綱とは異なる向きに変更されたようです。一応、デスビをバラして、確認することにしました。
マグネットの位置をドライバーをひきつける事で特定して、白いドットでマークしました。実は、このマグネットをデスビから取り出すとき、なぜかマグネットのケースが開いてしまい、マグネットが全部はずれてしまいました。お互いが磁力でひきつけ合うので、マグネットを元に位置に戻すのにはとても苦労しました。
おそらく、前回のエンジンO/Hのときに、何らかの理由でデスビのマグネットを(デスビの回転角で)90°まわしたのだと思われます。多分、作業ミスの帳尻合わせでしょう。今後のためにも、正規の位置に戻しました。
圧縮上死点でデスビが1番の位置にあるように変更しました。
これでロングブロック完成です。
ちなみに、ロングブロックとはショート・プロックと対になる用語で、ヘッドまで組み込まれたエンジン全体のことです。
水平対向エンジンって、本当に特異なカタチをしてますね。正面から見ると飛行機のエンジンみたいです。まあ、実際、このエンジンは飛行機にも使われているのですが。
あと、このエンジンはプッシュロッド・チューブがあるので、裏からみると、カッコいいんです。