550 Spyder クランクケース交換 17

オイルホンプを取り付けます。
こびり付いていたガスケットを取り除いて綺麗にしました。部品を再利用する場合、こういう作業に結構時間がとられます。
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ガスケットは、紙です。
こういうのは、今時の材質にしてほしいなぁ。
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オイルポンプを入れます。
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蓋をします。
そうしたらなんと、スタッドボルトが短いことが判明しました。
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仕方がないので、再びオイルポンプを外して、スタッドボルトを長いものに交換。
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今度は大丈夫。
オイルポンプは圧入なので取り付け/取り外しが大変なのです。最初からすんなりと付けば10分程度の作業だと思いますが、この戻り作業で1時間以上のロストをしました。ちなみに、この作業でポンプ取り外し用のSSTが破損しました。
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これから先の作業で、圧縮上死点がわかりやすいように、クランクプリーを先に取り付けることにしました。
クランクプーリーには、点火タイミングを側面から観察できるように、TDCと10°と15°それぞれに、切り欠きを付けました。
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クランクプリーのボルトを締めるためには、クランクが回転しないように固定しなければならず、クランクを固定するためにはフライホイールが必要なので、フライホイールを取り付けることにしました。
まず、フライホイールを仮付けして、軸方向の遊びを測定。60μmでした。規定値は70~130μm。規定値より狭いですが、規定値はマグネシウム・ケースの値です。マグネシウム合金よりもアルミ合金の方が線膨張係数が小さいので、多少狭くても大丈夫でしょう。
軸方向の遊びは何のためにあるかというと、エンジンの熱で鋼鉄製のクランクよりもマグネシウム合金製のクランクケースの方が伸びるからです。今回、クランクケースがアルミ合金製になったことで、伸び量が少し小さくなっているはずなので、下限を少し下回っていても問題ないと判断しました。
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軸方向の遊び量が確認できたので、もう一度フライホイールを外して、クランクシャフトのシールを入れます。専用工具も売っていますが、今回は木っ端を当ててハンマーで叩いて入れてみました。これでオイル漏れしなければ良いのですが。
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そしてフライホイールを取り付けます。今回は本締めなので、例のグランドナット用工具の出番です。トルクレンチを使いながら、易々と締めることが出来ました。便利な道具です。
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ここまでやって、作業書を確認すると、フライホイールにはOリングがはいることになっていました。
ガーンッ!! また外さなければなりません。
ここで、心が折れたので、今日の作業はここまでにしておきます。