クランクケースが加工から戻ってきたので、エンジンの組立工程に入ります。
まずはクランクケースの洗浄。新品のクランクケースは、加工時の切り粉や鋳造時の砂などが残っている場合があるので、よく洗浄する必要があります。普通は洗浄台というのを使うのですが、滅多に使わないのに保管場所をとるし購入費用ももったいないので、別の方法で洗浄します。
その方法とは、スプレー式パーツクリーナーを大量に使う方法です。スプレー式のパーツクリーナーはホームセンターで850mlくらい入っているものが200円以下で売っています。ナントカ天然水などと同じような値段です。これをガンガンスプレーしながらナイロンブラシでこするのです。そしてコンプレッサー・エアで吹き飛ばします。洗浄力は強いし、廃液処理の心配はないし、安いし、入手しやすいので、趣味でたまにエンジンを組むような場合にはお勧めの方法です。ただし作業は外でやる必要があります。パーツクリーナーのガスはあまり健康にはよろしくないようですから。
私の場合は、クランクケースの洗浄に4本くらい使いました。3.4Lくらいの計算になりますが、合計で800円しか使っていません。とても経済的。
シリンダーも洗浄しました。クランクケースやヘッドと当たる部分に古いRTVが残っているので、スクレーパーで削り取りました。
エンジン組みに軍手は禁物です。ケバが出て、エンジンに入り込むからです。しかし、素手もダメです。手の油が付くし、シャープエッジで怪我をしたりします。そこでラテックス・クローブを使います。私のお勧めはモノタロウ・ブランド。以前はオカモト製のラテックス・グローブを使っていましたが、モノタロウ・ブランドはほとんど同じ品質で、ほぼ半額です。モノタロウは3240円以上で送料無料になるので、何か注文するときに、送料無料にするために、これを買っておきます。
まずは、先日、古いクランクケースから取り外したスダッドボルトをネジロックを塗布して取り付けます。ネジロックはPermatexの青を使いました。青は取り外し可能なタイプです。
ベアリングをはめて、クランクとカムシャフトを取り付けたところ。これで3,4番側は完了です。
赤いのは、組み立て時専用のグリースです。アセンブリ・ルーブなどと呼ばれます。初期始動時のカジリを防止する目的のもので、流れ落ちないように糸を引くくらい粘度が高いものです。これはエンジンオイルに溶けるので、エンジンオイルがちゃんと回り始めれば、溶けてなくなります。組み立て後、すぐにエンジンを始動するならエンジンオイルで代用できますが、週末だけの作業だと組み立てた後も始動までには数週間を要するので、エンジンオイルでは流れてしまいます。
タイミング・ギアの合いマークが合っていることを確認します。こうやって写真に残しておくと、
あれ? 確認したかなぁ?
と、あとで不安になることもありません。
次に、1,2番側のクランクケースの作業に移ります。
まずはクランクケースに付属してきた安っぽいオイルピックアップ・チューブを交換します。事前のネット調査で付属のオイルピックアップ・チューブの品質が悪いことはわかっていたので、クランクケースの注文時に、同時に発注しておきました。
ひと目でわかると思いますが、グレーのが付属品で、黒のが別に購入したものです。チューブが長いのは、非純正品のディープ・サンプパンにも対応できるようにしてあるからです。その代わり、使用するサンプパンに合わせて切断する必要があります。
サンダーで切断。
サンダーは一台持っていると、色々なことに使えて便利です。でも重くてうるさいのが難点。最近は軽くて静なのもあるんだろうか?
ピックアップ・チューブを付けて、ベアリングとリフターも入れて、アランブリ・ループも塗りました。
合わせ面は、一応アルカンサス砥石で舐めておきます。
これで1,2番側も準備完了。
でも、今日はここまで。
このまま、合体するところまで進められる時間はあったのですが、一晩寝ることで、何か忘れ物に気が付くかもしれません。また、疲れているときは作業が雑になるので、明日の朝にリセットされた頭で作業することにします。