エンジンはクランクケース待ち。シフターは部品製作待ち。そこで、もうひとつの並行作業である、配線引きなおしに手をつけました。
今回の作業の中では、これが一番難易度が高いです。最初は予定してなかった作業ですが、メーターバネル裏面の配線を見てやることにしました。クルマの信頼性を決める一番の要素は、電気系です。クルマの故障の9割は電気系と言っても良いでしょう。特に適切ではない配線作業はクルマの信頼性を大きく損ないます。
まずは、ドアのエッジの養生。配線材とか作業服の擦れなどで傷が付かないようにするため。
配線材は、PAINLESS社のキットを使います。PAINLESS社は、カスタムカーやレーシングカー、クラッシッカーの汎用ハーネスキットを製作販売している会社で、アメリカでは有名メーカです。
今回使用するのは、P/N 10309 17 Circuit Customizable Nostalgia All Black Chassis Harness。
ワイヤーハーネスは、大きく2系統に分かれています。ヒューズブロックハーネスと、コンポーネント・アウトプットハーネス。
ヒューズブロックハーネスから作業を始めます。
まずは、ヒューズブロックのハーネスを前バルクヘッドを越えて前方に行く系統、運転席内の系統、後方に行く系統に仕分けします。このハーネスキットは、フロントエンジン車がデフォルト設定になっているので、ミッドシップ車の場合は少し変更が必要です。たとえば、エンジンセクションはヘッドライトと同様に前に行く系統になっていますが、それを組み替えて後ろに行く系統に変更したりなどです。
次にヒューズブロックを車内に設置します。
ダンボールに取り付けボルトの位置を写し取って、テンプレートを作ってから、車体に加工。
こんな感じに付きました。設置場所は助手席の前方下です。見える場所ですがアクセスしやすい事を優先しました。
次にバルクヘッドに穴を開けます。
既存のハーネスの穴を使うことも考えたのですが、既存ハーネスは新ハーネスが完了してから取り外すので、穴は新設しました。
前側は、フロントフードのヒンジの近傍。この手のクルマはハーネスを隠すよりも見える場所を通したほうが、後に色々と楽なのです。
リア側は、助手席後方下部。既存ハーネスのすぐ隣。
ヒューズブロック系統の配線をこれらの穴に通したら、次はコンポーネント・アウトプット系統に取り掛かります。これも、ヒューブブロック系統と同様に、車両前方、運転席内、車両後方と行き先別に仕分けします。ここで間違えると後の戻り作業が大変なことになるので、何度も確認します。
このキットは、合計で17回路しかないのですが、それでも以上の2系統を車両に取り付けると、配線量はかなり多くなります。
これにパワーウィンドウとか集中ドアロックが付いたクルマだったすると、もうやる気にならないですね。個人の趣味としてハーネス製作を楽しめるのは、こういう単純構造のクルマまで。
運転席内の配線量。
車両前方の配線量。
今日はここまで。
次回は、これらのハーネスをまとめるところから始めます。