結局、今日は朝から雨だったので、ミーティングには行きませんでした。
先日、ちらっと見えたダッシュボード裏の配線で嫌な感じがしたので、覗き込んでみると。
多分、何か理由があって配線を引きなおしたのだと思いますが、キボシ端子の使用、ほとんど赤だけの配線材、むき出しのままタイラップで固定されている様子など、典型的な素人配線になっていました。
おそらくオリジナルだと思われるハーネスもチラりと見えますが、そちらはきちんとした出来のようなので、そこから計器類、スイッチ類への配線を引きなおしたようです。
クルマの故障の原因の90%以上は電気系です。パワーウィンドウが動かないとか、ライトが点かないとか、そういう装備品から、エンジンがかからない、エンジンの調子が悪いなどまで、ほとんどが電気系の不良によって引き起こされます。そしてその不良のほとんどは、断線と接触不良。その断線と接触不良を引き起こすのが、こういった行き当たりばったりの配線作業です。今のところ動作は正常なので回路的には問題ないのですが、振動や温度による膨張収縮、湿気などによる端子表面の酸化によって、これは絶対に故障するパターン。そうでなくても、全塗装を依頼したときに、計器やスイッチを取り外して、そこで元に戻らなくなる可能性もとても高いです。
劣化配線の引きなおしは、プロジェクトの優先順位として4位くらいにしていたのですが、最優先事項にした方が良いかもしれません。
そこでまずは計画を練ってみることにします。
550 Spyderは電装品の少ないクルマなので、完全に配線を交換しようと思います。もちろん、量産車のように交換部品として専用ハーネスが用意されているはずはないので、汎用品を使います。こういう時にアメリカの自動車趣味の懐の深さを実感するのですが、アメリカにはレストア用に汎用のハーネスキットがあるのです。
調査と検討を重ねた結果、Painless Performance Products社の17-Circuit Nostalgia Harnessが良さそうです。
ノスタルジアという名前が示すとおり、昔のマッスルカーやホットロッドカーのレストアを対象としたもので、最低限の電装品しかないクルマを想定したもの。配線系統は2系統に分かれていて、ヒューズボックスを介して電源を供給する系統と、それらをスイッチを介してコントロールする系統。下の画像をクリックすると拡大した絵が見られるので、どんな系統があるかわかると思います。
100ページ以上の詳細なインストラクションも付いているので、クルマがいじれて、やる気と根気があれば、作業自体は難しくありません。私は過去にこのキットを使って別のクルマの配線を作り直したことがあります。丁寧な作業を心がければ、メーカ純正に劣らないきちんとしたハーネスが出来上がります。
検討するにあたって、一応、今の550Spyderの配線に近いと思われる昔のVW Type1(ビートル)の配線図を参考にしました。VWから流用している部品が多いので、かなり近いと思われます。
今時のクルマは、こういう単純な12V供給系ではなく、デジタル通信がされているので、回路図だけでも何十ページにもなってしまうのですが、この時代(1966年)は、これで全てです。簡単でいいですね。こういう事を自分でやりたいというのも、550Spyderを買った目的のひとつであるので、楽しんでいます。