最近、久しぶりにハイオク・ガソリンのTVCMを見ました。昭和シェル石油のCMでした。
今から20年以上昔、まだ多くの人がクルマを道具ではなく趣味の対象としていた時代には、ハイオク・ガソリンのTVCMは頻繁にやっていました。その時代、シェルのハイオク・ガソリンのTVCMは確かアラン・プロストが出ていたと記憶しています。
その後、クルマにエコノミーやエコロジーが追求されるようになり、低燃費ということがクルマの売れ行きを左右するようになると、そもそもの価格が高いハイオク・ガソリンのTVCMは全く見なくなりました。数字はわかりませんが、多分、ハイオク・ガソリンの売り上げ比率はかなり落ちたことでしょう。
日本では自動車を趣味にしている人でも、ガソリンのブランドに拘る人は少ないです。直接的にエンジンの中に入り込むものなのに、オイルほど拘る人がいないのは何故なのでしょうか?
ちなみに私は、粗悪ガソリンの経験があります。もう25年以上も昔の学生時代のこと。当時、ファイヤーバード・トランザムに乗っていたのですが、ある時からどうにもこうにもエンジンの調子が悪くなりました。当時からクルマのメンテナンスは自分でやっていたのですが、どう調べても原因がつかめず。それでもだましだまし乗っていて、ガソリンがなくなったので、給油したところ、ガソリンスタンドを出るところから調子悪いのが治ったのです。思い当たるのは、新しいガソリンがタンクに入ったことだけ。おそらく、前の給油で粗悪ガソリンを入れてしまったのだと思います。いつものガソリンスタンドだったのですけどね。
話を戻して。
ハイオク・ガソリンなのですが、オクタン価が高いのは当たり前として、もうひとつの売り文句は、洗浄成分が入っているということ。シェルに限らず、どこの石油もと売り会社のサイトを見ても、必ず載っているのが吸気バルブの写真。ハイオクを入れると、吸気バルブがこんなに綺麗になりますよ、と説明している写真なのです。
そこで、私が疑問に思うのは。
これは、昔のポート噴射のエンジンだったら確かにこうなるのかもしれない。吸気バルブの傘にハイオクガソリンが直接かかるか、ハイオクガソリンが混じった混合気が触れるのだから。
ところが、今時のクルマのほとんどは、直噴です。ガソリンは吸気ポートではなく、圧縮工程の終わりに直接燃焼室内に噴射されます。すなわち、吸気バルブの傘がハイオク・ガソリンに触れる機会はありません。それでも、バルブはこんなに綺麗になるのだろうか?
今のところ、
「直噴エンジンのクルマの場合、吸気バルブは綺麗になりません。」
という但し書きを付けている会社はありません。
実際のところ、どうなのでしょう?直噴エンジンでも、バルブが綺麗になる効果はあるのでしょうか?
最近、久しぶりにハイオク・ガソリンのTVCMを見てそんな事を思いましたた。
ところで、アメリカでは日本よりもガソリンのブランドに拘ります。
C5コルベットで多いトラブルに、燃料計の不具合がありました。フロートを支えている部分がスティックしてしまい、正しい燃料の量を示さなくなるというもの。
このトラブルを防ぐためは、Chevron(日本では売っていない)のプレミアム・ガソリンを入れるというのが、半分常識のように言われていました。燃料計のスティックが発生する場合、Techronというガソリン添加剤を使うことがGMによりアナウンスされていたのですが、Chevronのプレミアム・ガソリンにはTechronが最初から添加されているからなのです。そういうわけで、コルベット乗りの多くはChevronを選んで入れていました。私もChevronを選んで入れていました。
日本に持ってきてからは、特に決めたブランドにしているわけではありませんが、特に燃料計のトラブルもありません。
通常はコスモ石油のハイオクを入れることが多いのですが、これはたまたま近所にコスモ石油かあるからで、それ以外の理由はありません。先日、TVCMを思い出してシェルのハイオクを入れてみました。実際のところ、体感的には何もかわりません。