Z4が納車されて2ヶ月半。約2000キロを走りました。クルマ自体は素晴らしく、とても気に入っています。
しかし何度も書きますが、BMWは操作方法に独特な作法があって戸惑うことが多いので、操作説明書を何度も読むことになるのですが、今日はその説明書の話し。
BMWの説明書は、非常に解りづらいし、誤解しやすい記述が多数見られて、とても混乱します。操作が独特なだけに、操作説明書は明快に記述して欲しいのですが、おそらく翻訳されたもので、しかもその翻訳者はクルマのことに詳しくない人だと思われます。そして校正もいい加減だというのは、誤記(単なる誤字、脱字ではなく内容が間違っている)が多数あり、数枚の正誤表がはさまれていることで判ります。
最悪の例は、これ。
デュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)の注意書きなのですが、これを読んだとき、私は、
「上り坂では、わずかにアクセルをふかしながら車両が止まらないようにジワジワと進ませとけ。」
という意味に理解しました。
「車両を停車しないようにします」 =「進ませとけ」
と勘違いしたわけです。半クラッチを使わないように、常にゆっくり進ませるようにするのだと思いました。MT車の場合、前車の車間距離をあけてこういう事をしますから。しかし、この解釈は誤解です。上り坂でブレーキを使わずにアクセルで止まることをしてはいけない、という解釈が正しいわけです。これはDCTの構造を知っていたからこそ、最初の解釈で???と思い、誤解だと気が付いたわけですが、構造を知らなければ誤解だと気が付かないかもしれません。
いまだに、よく理解できていない、オートエアコンの設定。
これの意味がわからないです。AUTOになっている場合、風量は自動的に調節されると書かれていながら、その下で手動風量ボタンによってAUTOプログラムのクライメート設定を選択できるとは、どういう事?AUTOのときでも、手動風量ボタンによって、風量を手動調節できるという意味かと思いきや、実車の動作はそうでもなく。確かに一時的に風量は変わったりしますが、しばらくするとLEDの表示はそのままで、風量が少なくなったりするし。そもそも、風量ボタンによって設定されるのは、風量ではなく「クライメート設定」らしいのですが、そのクライメート設定については、どこにも記載がなく。温度設定は、また別のスイッチがあるので、温度設定のことではないみたいだし。
これが日本車やアメリカ車だと、AUTOの状態で風量調節をすると、AUTOが解除されてマニュアル設定状態に移行するのですが、そういうわけでもなく。
このエアコンの動作については、いまだに謎です。
最近、やっと理解したオーディオの操作方法。USBメモリの音楽データを車載HDDにコピーする方法ですが。
BMWが言うところのiDrive(ジョグダイヤルを回してメニューを選択、押して確定という、大昔にソニーが使っていて、今は廃れた操作方式)によって、
3.「Musicコレクション」
のメニュー階層まではたどり着くのですが、その下に「オプション」が出てきません。USBメモリを認識していないんじゃないかとか、色々と悩んで試しましたよ。そしてわかったことは、
3.「Musicコレクション」
のメニューまでたどり着いたら、オプションはそこにメニューとして出てくるのではなく、その状態でiDriveのジョグダイヤルのそばにあるOPTIONボタンを押すのでした。
そこまで、画面上のメニューでやって来させて、そこから唐突に物理ボタンとして装備されているOPTIONボタンを押すって、一体どういう思想に基づく操作系なんだろう。
さらに、説明書にはただ、
4.「オプション」を呼び出します。
って書かれているだけ。それじゃあ、判らないでしょ。そこで、画面のメニューから離れるのであれば、
4. iDrive操作パネルにあるOPTIONボタンを押します。
と書くのが、説明書ってものではないですか?
そして、5番から再び画面上のメニユー選択に戻るわけですから、BMWの操作系に対する考え方に、いかに一貫性がないか、ということがよくわかる例です。
これ以外にも、同様の事例がいっぱいあります。何度説明書を読んでも、理解できないことが他にもあります。
前のZ4の時から思っていましたが、BMWってクルマ自体は素晴らしいのに、操作系の設計思想は三流以下です。設計が悪いなら、せめて説明書が良ければいいのに、そっちもダメダメなので、救いようがありません。