Z4 ショックアブソーバの調査

クルマはまだなのに、部品が先に揃っていく。

ホイールを19インチにして薄いタイヤにすると、きっとホイールハウスの隙間が目立つはず。と思って、Lowering用のスプリングの中古品をオークションで落札。
出品者は車高調に交換したとかで、ノーマルのショックアブソーバ付き。
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そーいえば、ストラットのサスペンションって本当に久しぶり。スポーツカーは、普通ダブルウィッシュボーンですから。
そういう点では、Z4は本格派スポーツカーとは言い難いかもしれません。所詮はセダンとシャシーパーツを共有しているということですね。

それはともかくとして。
バネがストラットに組まれている状態なので、このまま一式で交換したいと思いました。スプリング・コンプレッサーを使わないで済みますから。
バネはH&Rというドイツ・メーカの製品で、クルマのグレードに関係なく設定されているようです。出品者によれば、23iを新車購入してすぐにバネを交換。1000kmほど使用しただけで車高調に交換したとのことなので、私の35i(1万2千km)よりも走行距離がかなり少なく、その点においてもストラットごと交換してしまうのが良いと思いました。

ただし、23iと35iでは車重が100kg違うことから、もしかするとサスペンションの設定は共通ではない可能性があるので、調べてみました。
写真のストラットは、左用#31316796439、右用#31316784918で、28i、30i用となってました。アメリカのサイトで調べたので、23iの記述はありませんでしたが、出品者が23iから外したと言っているので、23iも同様なのでしょう。
一方、35i用の部品番号を調べると、左用#31316790045、右用#31316790046で、上のとは違う番号になっていました。ということは、共通ではないということです。車重が100kg重いので、35i用の方が固く設定されていることは容易に想像がつきます。23i用の弱いショックでLowering用に固くなったバネを入れた組み合わせでは、減衰力が足らないのは明らかなので、ここは潔くあきらめて、ちゃんとバネを組み替えることにします。
実は、スプリングコンプレッサーを持っていないので、誰かに借りなければなりません。
ちなみに、リアはコイルオーバー形式ではないので、ショックの下側を外してロワーアームをフリーにしてやると、スプリングコンプレッサーなしで外せるようです。YouTubeでやってました。このYouTubeの映像、夜中に駐車場でスプリング交換しているところが、怪しさ満点ですが。

 

落札した一式には、ノーマルのバネも含まれていたので、リアのスプリングを比較してみました。左が純正品のノーマルで、右がH&R製。
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やはり、純正品の方が品質が良さそうですね。
どちらのバネも非線形特性を持たせているのですが、H&Rは中央付近の間隔が狭くなっている部分を密着させることでバネ定数を変化させるのに対して、純正品は上端の線径が細くなっている部分をスプリングシートに当てることで、バネ定数を変化させています。金属同士の接触がないので音が出にくいでしょうし、バネ定数変化も穏やかのはずです。H&Rの方は密着する/しないで、バネ定数が不連続になります。
純正品の構造は、これ専用に線径を連続的に変化させた鋼材を用意しなければならないので、一般的にはコストがかかりますが、おそらく数の多さでそれを相殺しているのでしょう。H&Rの方は、専用の鋼材を用意できるほど数がでないので、普通の鋼材の巻き方を変えることで妥協しているということです。
Z4は見た目重視ということで割り切っているので、これで妥協しておきますが、本質的なところでは純正品のバネの方が優れたものなので、本来ならバネは換えないほうが良いでしょう。

ところで。
このような車高を下げることを目的としたバネのことを、ダウン・スプリングとか、ローダウン・スプリングとか言いますが、これは和製英語なので気をつけてください。
正しくはLowering Springです。Down Springは意味不明です。Low-downは「貧乏な」とか「気分が落ち込んだ」という意味です。なので、車高短のことを和製英語と知らずにLow-downなどと記述すると、貧乏という意味にとられるので注意しましょう。私は車高短と書いてシャコタンと読むのはなかなかシャレていると思いますけどね。

もうひとつ余談。
今回の調査では、アメリカとヨーロッパのサイトでしか情報が得られませんでした。純正部品の検索で日本語のサイトが出てくることはまずありません。アメリカのディーラーサイトでは、パーツ検索ができるようになっているところが、かなりありますし、パーツディーラーも多数あって、純正部品通販も盛んです。
クルマを自分でいじるという文化は、日本には根付いていないということでしょうか。