eBayで、何か面白いものはないかと探しているときに発見したのが、PBというメーカのブレーキ・キット。
価格の安さが魅力ですが、それ以外にもキットの内容を自分で組み合わせられる。自分の好きなロゴを入れられるというのも魅力です。
たとえば、
キャリパーは4pod, 6pod,8podから選択
ローター径は330mm, 345mm, 356mm, 380mm, 405mmから選択
ローター種類は、ドリルド, スロット, ドリルド&スロットから選択
ローター固定方法は2ピースの固定とフローティングから選択
キャリパー表面処理はアルマイト18色、粉体塗装14色から選択
ロゴの有り/無し/カスタムロゴの選択
パッドはストリート, スポーツ, レースから選択
という具合に、組み合わせは自由自在です。
試しに、今度のZ4に装着することを前提に、下記の組み合わせでキットを作ると、£2,088。日本への送料£151.20を加えて合計£2,239.20です。今のレートで約39万円。有名ブランドのフロントのみの金額で前後が揃います。
フロント
キャリパー:6pod、粉体塗装、ロゴ有り
ローター:356mm、ドリルド&スロット、固定
パッド: ストリート
リア
キャリパー: 4Pod、粉黛塗装、ロゴ有り
ローター: 330mm、ドリルド&スロット、固定
パッド: ストリート
残念ながら現在の時点で、Z4用のリアはパーキングプレーキが使えなくなってしまうので、街乗りには使えないのですが、電磁式パーキングプレーキに対応するキャリパーも開発中とのこと。
台湾製の新興メーカということで、信頼性や品質が気になるところです。雑誌のレビュー記事なども探してみたのですが、webサイトで紹介されているレビュー記事のみ。あとは、クルマのユーザーフォーラムで、「どうなの?」と質問している記事ばかりでした。特に問題はないみたいですが。
ただ、台湾製だから品質が悪いとか設計が悪いと考えるのは、過去のことだと思います。
おそらく老舗有名ブランドのブレーキメーカは、設計のために経験や過去のデータが重要だと主張するでしょう。でもブレーキに必要な機能は、難しいものではありません。油圧でピストンを押してパッドをローターに押し付けるだけ。力の掛かり具合、熱の伝わり方、それらに対する材料の特性などをきちんと考えることが出来きる工学の知識があれば誰にでも設計できます。今の時代は50万円も出せばそこそこ使える構造解析や熱解析のソフトが手に入ります。それらを使いこなせば、これまでの経験や勘で設計されているものよりも良いものが設計できるでしょう。
一方、加工についても、今はNCで加工するのが普通。NCであっても、ツールの磨耗や送り量の設定など、人間が寄与する部分はありますが、それらもプレーキ・キャリパー程度の加工精度は工作機械メーカが提供するデータ通りに設定すれば十分です。自動車の部品なんて、世の中の主要産業機器の部品から比べると精度が低いので、別に難しいものではないのです。
だから、値段が安いのは人件費の安さとブランド維持のコストがない、という点によるものだと期待したい。それと、買主がキャリパーやローターを好きに組み合わせられるというのは、裏を返せばメーカーは取り付け可能にしているだけで、性能をテストして保証しているわけではない、という点もコストの安さに寄与していると思います。組み合わせは自由だけど、その結果は自己責任、と考えなければなりません。そのリスクを自分で背負う覚悟は要ります。
それと、クルマのドレスアップは、その性能よりもブランドで語られることの方が多いことも覚悟が必要です。たとえば、8podのPB製キャリパーとブレンボ製キャリパ。街乗りに使っているのであれば、両者の性能差は多分ないでしょう。でも、人はブレンボ製を欲しいと思うのです。
自動車のドレスアップは女性のファッションと同じで、ブランドが最重要なのです。イトーヨーカドーのワンピースとシャネルのワンピース。洋服としての機能は同じ。耐久性も、多分同じ。でも、着ていける場所や相手は異なる、みたいな感じです。
実は、ここまで書いておいて今更なのですが、Z4は1年間のBMWの保証が付いているので、保証対象部品については、保証が切れるまでは改造するつもりはないのですけどね。
保証が切れたときに、ドレスアップとして何かしてみようかな、と思ったときの選択肢にはなり得ます。
ちなみに、コルベットの設定もあります。
あと、このメーカは車高調も売っています。こちらも価格設定がかなり安いので、お買い得ではあります。性能はわかりませんが。