Z4は油温計

BMWのディーラーにいるところを知り合いに目撃されてしまいました。あのコルベットがBWMのディーラーに止まっていれば、それはもう目立つことでしょう。

そしてディーラーのセールスは、えらく興奮していて、BMWの説明そっちのけで、コルベットを調べ始めてしまいました。
いや、それ売るつもりはないから。

ディーラーでは、今のZ4の試乗をさせてもらっていました。Z4については、あらゆるメディアがすでに語りつくしているだろうし、30分ほどの試乗だったので私ごときが語ることはないのですが、一つだけ、あまりメディアの試乗記で語られておらず、乗って始めて気が付いたことをお伝えします。

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この写真は、私が撮ったものではなく他サイトからの拝借ですが。
右下が油温計です。水温計がありません。
試乗中に
「水温の上がりが遅いな。水温計が調子悪いのかな。それにしても、この水温計、ずいぶん上まで目盛りがあるな。」
などと思っていたのですが、停車中によく見たら油温計でした。スポーツカーの場合、油温計が装備されているのは珍しくありません。コルベットも、油温表示は選択できます。でも、水温計がないのは珍しい。
何故、わざわざ油温計?確かに、油温計の方がエンジンの温度を直接的に表しているとは言えますが。長年慣れ親しんできた水温計ではなく、マニアな人だけが気にする油温にしているのは、どういう理屈?

ネットを軽く検索してみましたが、これについて言及している記事は見つけられず。
ここから先は、私の推測ですが。
今時のクルマは燃費対策のため水温は高いです。100℃を超えていることは普通です。しかし、水は100℃で沸騰するということは誰でも知っているので、水温計が100℃に近づくと不安になるんですね。クルマの冷却水は「水」ではないし、加圧しているから100℃で沸騰することはないのだけれど。だから、ほとんどのクルマは水温計に数字の目盛りを入れません。何度になっているか知らせると、ドライバーが不安になるから。
コルベットには、水温計に数字の目盛りが入っているのですが、コルベット初心者がまずネットで質問するのが
「水温が高いんですけど。ディーラーに聞いたら普通だと言われました。皆さんのはどうですか?」
というやつ。こういう不安にさせないように、普通は水温計には数字目盛りを入れないのです。
ところがBMWは、いろいろと変な拘りがあるメーカなので、メーターにはちゃんと数字目盛りを入れる方針にした。でも、水温計で数字目盛りを入れると多くのドライバーは不安がって、クレーム大量発生になりかねない。だったら100℃を超えていても平気な油温計にしよう。
ということなのではないだろうかと。

事の真相はどうなのでしょう?
油温計だと、温度の上がりが遅くて、それはそれで心配になる人もいるのでは?
と思ったら案の定、
「家が高速道路の入り口に近いので、油温が低いまま高速道路を走ることになるのですが、大丈夫でしょうか?」
という質問を見かけました。
私は言いたい。
「心配なし。あなた、いままでのクルマはどうしていたのですか? 水温が上がっていたので、普通に高速道路を走っていたのでしょう? 油温を知ってしまったから不安になったのでしょう?知ってしまっただけです。何も今までと変わりません。」

教訓。
「知る必要のないことは知らなくてよい。」