ご存知のように、スピダーのドアは跳ね上げ式、いわゆるガルウィング・ドアとか、バーチカル・ドアと言うやつです。これがスピダーの魅力の重要なひとつであると同時に、これのおかげで乗り降りがとても容易になります。とは言っても、普通のクルマよりはだいぶ苦労するのですが。
最近になって、このドアが少し落ちてくるようになりました。製造後15年を経て、ドアを支えているガス・スプリングが弱くなってきたようです。今までギリギリ持ちこたえていたのが、冬になって気温が下がっため内部のガスの圧力も下がって、支えきれなくなったのです。
春になってスピダーの出番が来る前に、ガス・スプリングを交換することにしました。
純正品の購入も考えましたが日産部品販売に注文すると結構高い。ネットで情報を検索したところ下記の製品が流用可能なことがわかりました。
MONROE MAXLIFT ML5691
なんと、Amazon.co.jpで購入可能です。納期1~3週間となっていたのですが、送料無料を考慮すると一番安かったので、3月中に届けばいいや、と思って注文しました。そうしたら3日で届きました。
今、Amazon.co.jpをチェックしたら、私が注文したために、2点の在庫があって即納状態になっています。欲しい人はお早めに。
交換は難しくありません。
まず、ドアの内張りを外します。上3つのビスの他に下に一つ、ドアの穴の奥にあります。これを忘れないように。
下のビスは、落とすとドアの中に入り込んで多分取り出すのが面倒です。落とさないように注意します。ビスはトルックスです。
外れたドアの内張りはドアの中に置いておきます。そうすれば、リリース・レバーを外す手間が省けます。内張りに傷をつけないように気をつけましょう。
内張りを外すと、このようにガス・スプリングが見えます。
あとは、ボールジョイント部の金具をずらして、交換するだけです。このボールジョイント部の金具は、ずらし具合が少し厄介なので、新品のガス・スプリングで構造をよく確認してください。私は、思わず完全に外してしまって、元に戻すのに少し苦労しました。
それからガス・スプリングがない状態のドアは意外と重いので、注意してください。私は肩で支えながら作業しました。何かつっかえ棒を使っても良いと思いますが、その場合はつっかえ棒が外れないような工夫をしないと、いきなり外れたときに危険です。
内張りを元に戻しますが、このときも下側のビスを付けるのが少し難しいです。ビニールテープなどで、ネジをドライバーに固定して差し込みます。
最初のドアで40分。2枚目のドアは、構造が判って慣れもあるので20分程度の作業です。
これが純正品のガス・スプリング。
STABILUS社の型番6924GWです。ルノーのパーツ番号では6000 068 193
ネットで検索すると、€20~€30くらいでヨーロッパの会社から買うことができそうですが、高圧ガス部品なのでおそらく航空便が使えず、船便になるので1ヶ月くらいはかかってしまうと思います。送料のことも考えると、Amazon.co.jpからMONROEを購入するのと大差ない金額になるので、わざわざヨーロッパの会社に注文することもないでしょう。
参考に、両者の仕様を載せておきます。
STABILUS LIFT-O-MAT 6924GW
Eject Force: 360N
Length:412mm
Stroke: 156mm
MONROE NAXLIFT ML5691
Eject Force: 400N
Length: 412mm
Stroke: 163mm
MONROEの方が少しだけ反発力が強いですが、新車時の状態を知らないので、比較できません。
交換するとどのくらいドアの上がり方が変わるのか、動画を撮っておきました。
交換前
交換後
私のブログ中で、スピダーのメンテ記事を参考にしてくれている人が結構いるそうなので、今回は少し詳しく書いてみました。