キャデラックCTSをしばらく乗って、とても気に入ってしまいました。これを私の時期足車候補の1台とします。
キャデラックを運転したのは久しぶり。最後に運転したのはノーススターエンジンを搭載したFF時代のセビルだった記憶があります。あれは、だいぶ若返ったとはいえ依然としてキャデラックの味が残っていましたが、このCTSは良い意味でも、悪い意味でもキャデラックの感じが全然しません。たぶん、この方がアメリカ国内では洗練された印象でもって、レクサスやBMWの対抗になるのだと思います。一方、アメリカ国外でキャデラックを選ぶ積極的な理由はなくなってしまったと思います。
ただし、キャデラックらしさはなくなってしまったものの、スポーツセダンとして見ると一級品だと思うし、日本であれば販売台数が少なく 、人とはちょっと違ったクルマに乗りたいという欲求も満たしてくれると思います。それに、今となってはレクサスやBMWに乗っていると言うよりも、キャデラックに乗っていると言う方が、拘りのあるクルマ好きの印象がありますしね。
運転は楽だけど、ビュイックのセダンなどより、ずっとスポーティーです。足もセダンとして見ると固めですが、荒れたカリフォルニアのフリーウェイでも不快感はありません。車内は静かで定速のクルージングであれば、ロードノイズしか聞こえません。
残念ながらエンジンはV6なのでちょっと非力な感じがありますが、それはいつも400馬力のクルマに乗っているからであって、普通に考えると十分です。
おやっ?と思ったのは、この計器盤。
右側の水温計と油圧計に数値目盛りがふってあります。一部の本格スポーツカーを除き、水温計や油圧計に数値の目盛りがふられることはありません。ほとんどのクルマは「H」と「L」が目盛りの両端に表示されているだけのはず。なぜなら、ここに数値をふってしまうと、メーターはきちんと計測値を表示しなければならなくなるからです。
あまり知られていないのですが、一般のHとLで表示しているクルマのメーターは、実は比例表示ではありません。特に水温計は実際の水温が上下していても、常にほぼ真ん中をさすように作られています。なぜなら、水温計が上下するとドライバーに不安を与えるからです。本当の水温は、実は結構上下しているものなのです。
しかし、数値目盛りを入れた場合は、正しく水温を表示しなければならないので、そういう誤魔化しができません。たとえば、現代のクルマは水温が100℃を超えているのは普通です。しかし、水は100℃で沸騰するという知識を多くの人が持っているので、水温が100℃を超えるとオーバーヒートするんじゃないかと、ドキドキしてしまうわけです。中途半端な知識のおかげで、まったく正常なのに計器盤を見て異常なのではないかと疑ってしまうわけです。スポーツカーに乗っている人の多くはクルマについてもそれなりに勉強したりするので、その辺の心配は少ないのですが、一般の人が運転する普通のクルマではそういう心配をさせないためにも、真実の水温は教えないようにしているのです。
したがって、セダンのような趣味性の低いクルマで水温計に数値表示をしている例は非常に稀です。数値表示をしている時点で、このクルマがそこそこクルマ趣味の人をターゲットにしているのだとわかります。
運転していて、普通に通勤や旅行の移動手段とするには、とても快適で楽しいと感じました。CTSのラインナップを調べてみると、AWDのステーションワゴンがありました。私の足車の条件に合致です。これで右ハンドルがあれば完璧と思っていたら、日本では右ハンドルで売っていました。日本は世界のどの国よりもキャデラックの中古車が安い国です。これを活用しない手はありません。
今の足車のレグナムはまだ8万キロしか走っていないので、あとしばらくは乗りますが、次の足車候補としてキャデラックCTSのステーションワゴンは常にチェックしておこうと思いました。
日本の中古車だと、数が少なくて色は選べないだろうけど、できたらブルーがいいなぁ。
これね。