コルベットのエンブレムとフランス王家

フランス旅行中にコルベットを見かけたのは1回だけ。高速道路の対向車線を白いC6が走っていました。

さて、フランスの古城や王宮を回っていると、必ず目にするのがフランス王家の紋章 「フルール・ド・リス」。この写真は、ヴェルサイユ宮殿の中にある正真正銘のフランス王家の紋章。
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このマークは、歴代のコルベットのエンブレムに必ず入っています。下の写真は私のZ06。右上にフルール・ド・リスがあります。
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コルベットのエンブレムにフルール・ド・リスが必ず入っているのは、シボレーの創設者であるルイス・シボレーがフランス人でフランス王家ゆかりの家系だから、という説は間違い。
実は、コルベットの最初のプロトタイプに付けられていたエンブレムは、フルール・ド・リスの位置にアメリカの星条旗が入っていました。ところが、当時のアメリカの法律で、星条旗を商品のロゴなどの意匠に使用することが禁じられていたため、その場所に別のものを入れなければならなくなりました。協議の結果、ルイス・シボレーが数年間だけフランスに住んでいたということ、フルール・ド・リスは「純潔」、「崇高」、「信頼」などをあらわす意味を持っているのが、コルベットのコンセプトに合致しているとの観点で、採用されたのでした。
今であれば、コルベットは、アメリカのアイコニック・スポーツカーとして誰も異論を唱えないと思うので、星条旗の方がふさわしかったと思いますが、当時はコルベットというクルマが、その後60年以上にわたり、アメリカで愛されるクルマになるとは、誰も考えてなかったのだと思います。

この「フルール・ド・リス」ですが、私はゆりの花をイメージしたものだと思っていましたが、実はゆりではなくあやめの花だそうです。今回のフランス旅行で、ガイドの人が教えてくれました。ただし、フルール・ド・リスの日本語直訳は「ゆりの花」という意味で、そのために多くの人がこれをゆりの花だと勘違いしているとのことです。